「アース・モンダミンカップ」で4年ぶりの通算4勝目を挙げた菊地絵理香。ラフが深くグリーンが速いセッティングの中フェアウェイをとらえ続けたショットをプロゴルファー・中村修が解説。

安定感の源は体の上下左右の動きが少ないこと

4日間の大会を通じてボギーはわずかふたつだけ。菊地絵理香選手の4年ぶりの優勝を支えたのは、大会を通じてフェアウェイキープ率76.7%、パーオン率76.3%というショットの安定感でした。その安定感を生んだスウィングを見てみましょう。

まずアドレスを見ると、オーソドックスなスクェアグリップで握り、ボール位置は左わきの下。頭はボールよりも右に置き下半身をどっしりと構えています(画像A左)。

優勝後の会見で、パワーゲームになってきたツアーの状況を踏まえてオフにしっかりとトレーニングを積んできたと話していましたが、トレーニングの成果か下半身がどっしりと安定し、始動で左右にぐらつきません。

左腕が地面と平行になる位置でクラブは垂直、胸の前に手元をキープしながらテークバックしています(画像A右)。

画像: 画像A オーソドックスなスクェアグリップで握りどっしりと構えたアドレスから手元を胸の前にキープしながらテークバックする(写真は2021年のニチレイレディス 写真/大澤進二)

画像A オーソドックスなスクェアグリップで握りどっしりと構えたアドレスから手元を胸の前にキープしながらテークバックする(写真は2021年のニチレイレディス 写真/大澤進二)

画像B左はトップのポジション。右ひざの位置は不動、骨盤の前傾を保ったまま上体を縦にねじるようにトップを迎えています。そして画像B右の切り返しでは下半身を使って一気に腰を回すのではなく、前傾した骨盤の角度を保ちながら静かに切り返します。

静かに切り返すことで上体の開きが抑えられ、体の軸はボールよりも右側をキープしています。インサイドからクラブを下ろすことができる、ドローヒッターのお手本になる切り返しです。

画像: 画像B 下半身を揺らさずに骨盤の前傾角キープしたままトップを迎え(左)、静かに切り返すことで上体の開きを抑え、インサイドからクラブを下す(右)(写真は2021年のニチレイレディス 写真/大澤進二)

画像B 下半身を揺らさずに骨盤の前傾角キープしたままトップを迎え(左)、静かに切り返すことで上体の開きを抑え、インサイドからクラブを下す(右)(写真は2021年のニチレイレディス 写真/大澤進二)

切り返して腕が下りて来たタイミングで左ひざを伸ばしながら腰を回転。腕、クラブへとエネルギーが移行していきます(画像C左)。インパクトでも体の軸はずっと保たれたままなので、クラブは自然なアッパー軌道でスムーズに振り抜かれています(画像C右)。体の上下左右の動きが少ないことが、安定感抜群のショット力の源になっているのでしょう。

画像: 画像C インパクトでもスウィング軸を保ち余計な上下動、左右のブレが少ないことで、安定感抜群のショット力につながっている(写真は2021年のニチレイレディス 写真/大澤進二)

画像C インパクトでもスウィング軸を保ち余計な上下動、左右のブレが少ないことで、安定感抜群のショット力につながっている(写真は2021年のニチレイレディス 写真/大澤進二)

オフのトレーニングのおかげで振る力がつき、「マン振り」していたそうですが先週の「ニチレイレディス」でそこまで振らなくても飛距離が伸びていることに気づき、安定度が増したといいます。

そして「上手い選手よりも強い選手なりたい」とメンタル面でも強い気持ちを持って戦った4日間で4年ぶりの勝利を飾りました。飛距離と強いメンタルを身につけた菊地選手の活躍はまだまだ続きそうです。

This article is a sponsored article by
''.