全米オープンを制したジョン・ラーム。その手には今年から契約したキャロウェイの最新モデル「エピックスピード」が握られていた……のだが、よく見ると少しバージョンが違う。そう、キャロウェイがプロツアー用に用意するヘッド、“トリプルダイヤモンド“バージョンなのだ。
今回発表になったエピックスピードツアーバージョンは、そんな“プロ仕様“ドライバーで、エピックスピード トリプルダイヤモンド」「エピックスピード トリプルダイヤモンドLS」「エピックスピード トリプルダイヤモンドDS」の計3モデルが用意されている。
主なテクノロジーは既存のエピックスピードと同様のものが採用されているが、エピックスピードがソール後方にウェートを1個搭載していたのに対し、ツアーバージョンの3モデルはいずれもソール前方と後方の計2個のウェートを搭載しているのがまず異なる点。
また、ヘッド体積も通常モデルは460ccとルール上限まで大きくしていたのに対し、ツアーバージョン3モデルは450ccとわずかに小ぶり。中・上級者が好む洋ナシ形状を採用しているのもツアーバージョン3モデルの共通点だ。
ではモデル別に特徴を見ていこう。まず「エピックスピード トリプルダイヤモンドLS」、これはLS=ロースピンの名が示す通り、通常のエピックスピードよりもさらにスピンを減らしたモデル。ラームのエースがこのヘッドだ。
エピックスピードの通常モデルと異なり、シャローバック形状にすることでより低重心設計となっていて、ソール前方のウェートが6グラム、後方が10グラムとギャップがあり、入れ替えることでスピン量の調節も可能となっている。
キャロウェイの契約選手のなかでもラームらと並びエース格のひとりであるザンダー・シャウフェレが使うのが「エピックスピード トリプルダイヤモンド」。
通常モデルと同様に空気抵抗を軽減する「サイクロンヘッドシェイプ」を採用したハイバック形状で、ツアーバージョン3モデルのなかではもっともつかまりを抑えつつやや多めのスピンが入ることで、コントロール性の高いモデルとなっている。ウェートに関しては前方・後方ともに8グラムのウェートを採用しているようだ。
最後のひとつが「エピックスピード トリプルダイヤモンドDS」。トリプルダイヤモンドLSと同様にシャローバック形状で低重心化を図りつつ、モデル名のDS=ドロースピンが示す通りツアーバージョン3モデルのなかでもっともボールがつかまりやすい設計となっている。
スピン量はトリプルダイヤモンドLSほどではないものの、少なめになるよう設計されており、ウェートはトリプルダイヤモンドLSと同様、前方が6グラム、後方が10グラム。入れ替えることでスピン量の調整が可能となっている。こちらはマーク・リーシュマンや上田桃子、キム・ハヌルらが使っている。
3モデルともロフトラインナップは9度と10.5度の2種類。シャフトに関してはツアーバージョンのためいわゆる純正モデルといったメーカー側の設定はなく、幅広いカスタムシャフトのラインナップから選ぶ形。価格は9万5700円から(税込、選択したカスタムシャフトによって変動)で、公式オンラインストアや一部店舗のみでの限定販売となっている。
昨年発売されたツアーモデル「マーベリック サブゼロ トリプルダイヤモンド」が発売後即完売となるなど、ファンからの注目度の高い“ツアーモデル“。今回も人気になりそうだ。