ラウンドの前日から天気予報は降水確率100%。朝目覚めるとやっぱりザーザーと雨模様……となると楽しみにしていたゴルフも急に憂鬱になり、キャンセルを検討する人もなかにはいるかもしれない。そんな雨ゴルフを遊び尽くすにはどうしたらいいのだろうか?

「雨ゴルフは、ゴルフの原点を楽しむことができます」

そう語るのは、マグレガーCCを運営するマグレガーゴルフジャパンの松下健氏。ゴルフ場でのバードウォッチングやキャンプ体験、クロスカントリーゴルフにヒッコリーゴルフを企画するなど、ゴルフを“遊び尽くす”達人だ。

「雨ゴルフはたしかに難しいですよね。でも、ゴルフは自然のなかで行うスポーツですから障害があるもの。難しい状況をどうしたら攻略できるのか、自分で考えて工夫していくとゴルフ脳が鍛えられるんです」

ゴルフは自然との戦いとはよく言われること。そして、自然のなかであれば雨が降るのもまた当然だ。その難しい状況を攻略した喜びは、最高の天気にいいスコアでプレーするのとはまた別の達成感が味わえる。

ただ、雨の日はミス連発でとても楽しめない……という切実な思いを抱くゴルファーも多い。では、雨ゴルフは一体どんなことに気をつけたらいいのだろうか?スウィングコーチの関浩太郎はこのように話す。

画像: 「雨の日ゴルフ」でも楽しくプレーするためにはどうしたらいい?(写真はイメージ 撮影/三木崇徳)

「雨の日ゴルフ」でも楽しくプレーするためにはどうしたらいい?(写真はイメージ 撮影/三木崇徳)

「雨の日にスコアが崩れる理由のひとつはダフりやすくなるから。晴れの日はボールの5ミリから1センチ手前をダフったとしてもソールが滑り飛んでくれますが、雨の日はボールの手前5ミリ以内にヘッドをいれなければダフって飛ばない……なんてことが起きます。なので、雨の日はクラブを1番手上げてフルスウィングはせず、肩から肩までのスリークウォーターショットでミート率を重視してあげるのが基本です」

さらに関氏は「アマチュアゴルファーの方は雨の日でも『スコアの価値観』が変わらない。これも大叩きしてしまうひとつの理由」とこのように続ける。

「たとえばマスターズはバーディ合戦のためボギーを打つと悔しがる選手は多いですが、全米オープンはボギーでガッツポーズをしている選手もいます。つまりプロゴルファーはコースや状況に合わせて『スコアの価値観』を変えているということ。それに対してアマチュアゴルファーはコースや天候によって難易度が高くてもそれが変わらない方が多いように思います。そこから見直すだけでも大叩きは少なくなるはずですよ」

雨の日ならボギーで御の字のホールでも、晴れの日の感覚でパーを狙いにいくと、狙い方に無理が生じて入れなくてもいいハザードに入れたりしてしまう。

だからこそ、たとえばスコア100前後でプレーするゴルファーなら「実際のスコアにマイナス10打で正当な評価だと考えることがオススメ」と関氏。雨の日に100で回ってきたならば、その日のゴルフはスコア「90」に相当するナイスプレーというわけだ。そう考えればプレーにおいて無理もしないし、満足感も得やすいはず。

さて、それでも強めの雨の予報が出る日は気が重くなり、仲間たちもなんとなくキャンセルしたそうな雰囲気……ということはどうしてもある。その場合でも、ゴルファーが必ず行わなければならないのがコースへの連絡だ。前出の松下氏は言う。

「ゴルフするなら晴れた日にプレーしたいという気持ちもわかるので、事前のキャンセルは仕方ないですよね。ただ、稀に無断キャンセルがあるので、キャンセルの連絡をいただけると嬉しいです。また雨の状況によってスタート時間を調整することも可能ですから、気軽に相談してほしいなと思いますね」(松下)

雨雲レーダーをチェックすれば、早朝のうちは雨でも9時過ぎには嘘みたいに上がる、なんてこともある。雨の日ゴルフはコースとも連絡を取り合い、少しでも楽しむための準備を行うことが大切なのだ。

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