ドライバーでは圧倒的な低スピン性能
キャロウェイのツアーボール「クロムソフト」シリーズに新たに追加された第3のモデル「クロムソフトX LS」。モデル名の通りLS=ロースピンを謳うモデルとなっているが、既存の2モデル「クロムソフト」「クロムソフトX」とはどのような違いがあるのだろうか。プロゴルファー・堀口宜篤にドライバー、7番アイアン、ウェッジでそれぞれ試打してたしかめてもらった。
さっそくドライバーで5球打ったデータの平均値から見ていこう(使用モデルはキャロウェイ「エピックマックス」の10.5度)。
【クロムソフトのドライバー試打結果】
HS44.1m/s キャリー232ヤード トータル256ヤード 打ち出し角11.6度 ボール初速63.9m/s スピン量2299.3回転
【クロムソフトXのドライバー試打結果】
HS44.5m/s キャリー244ヤード トータル264ヤード 打ち出し角13.1度 ボール初速65.1m/s スピン量2661.3回転
【クロムソフトX LSのドライバー試打結果】
HS43.9m/s キャリー224.8ヤード トータル257ヤード 打ち出し角12.9度 ボール初速64.2m/s スピン量1445回転
まずもっとも異なる部分がスピン量。「クロムソフトX LSは平均1445回転と、ほか2モデルよりも圧倒的にスピンが抑えられています。もっともランが出たのもX LSですね」という。一方で堀口が「意外だった」というのが打感だ。
「もともとあるクロムソフトが打感が柔らかめ、クロムソフトXは打感がそれと比べやや硬めで弾く感じがあるという印象で、モデル名からクロムソフトX LSはX寄りの硬めな打感と想像していたのですが、意外と柔らかくて打感はむしろクロムソフト寄りという印象ですね」(堀口)
アイアン、ウェッジではしっかりスピンがかかる
ドライバーでは圧倒的な低スピン性能を発揮した一方で、7番アイアンでは少し毛色の違う結果に。試打データは以下の通りだ(使用モデルはテーラーメイド「P770」の7番。ロフトは33度)。
【クロムソフトの7番アイアン試打結果】
HS37.1m/s キャリー157ヤード トータル164ヤード 打ち出し角20.5度 ボール初速49.2m/s スピン量5482回転
【クロムソフトXの7番アイアン試打結果】
HS36.7m/s キャリー155ヤード トータル162ヤード 打ち出し角19.3度 ボール初速49.2m/s スピン量5591回転
【クロムソフトX LSの7番アイアン試打結果】
HS37.2m/s キャリー152.7ヤード トータル160.7ヤード 打ち出し角20.5度 ボール初速48.7m/s スピン量5206.7回転
「7番アイアンの試打結果ではほか2モデルより平均200回転ほどスピン量が落ちてはいますが、ドライバーの圧倒的な低スピン性能と比べると、かなりしっかり回転がかかっている印象です。長い距離を狙うときは低スピンを発揮しつつ、ある程度スピンも欲しい番手でしっかりとスピンもかけてくれますね」
これは58度のウェッジでも同様の結果に。約80ヤードの距離を狙ったショットでクロムソフトが平均9798回転、クロムソフトXが平均9447.7回転、クロムソフトX LSが9307回転と、ややスピン量が落ちているとはいえ、そん色ない結果を出していた(使用モデルはクリーブランド「RTXフルフェースウェッジ」の58度)。
試打結果をまとめると、まず3モデルの打感については柔らかい順でクロムソフト>クロムソフトX LS>クロムソフトXといった具合。飛距離性能に関しては3モデルとも同程度だが、クロムソフトX LSはドライバーでは大幅にスピンを減らし、アイアン、ウェッジではほか2モデルにはわずかに劣るもののグリーンを十分で狙っていける性能に仕上がっているようだ。
ではクロムソフトX LSはどんなゴルファーにオススメなのか。堀口は「とくにヘッドスピードが遅くてスピン量が増えてしまう方にはとてもオススメと言えるでしょう」と話す。一方で懸念点も。「ドライバーショット時の低スピン性能が凄いため、低スピン性能に特化したドライバーとクロムソフトX LSと組み合わせるとドロップの危険性があるので注意ですね」と付け加えてくれた。
とはいえ、とくにドライバーでのスピン量の多さに悩むゴルファーにとってクロムソフトX LSは心強い味方になってくれそう。まずは試打して自身のドライバーとの相性をたしかめてみてはいかがだろうか。