女子ツアー「ニッポンハムレディスクラシック」で若林舞衣子とプレーオフの末、勝利をつかんだ堀琴音。今大会はツアー史上最長の6763ヤードのコースだった。コースが長いとアマチュアはスコアを崩しがちだが、堀の平均飛距離は235ヤードと一般男性とそう大きくは変わらない。それでもスコアをまとめられるのはなぜか、プロゴルファー・奥山ゆうしに話を聞いてみた。

「距離が長ければ飛ばし屋が有利かと思われますが、それはコースが平坦で、戦略性が低い場合。コースの難易度が高いほど、長さに関係なくスコアをまとめるための”逆算”がカギになります。ピン位置から逆算して、セカンドをどの番手でどう打つかを考えて、ティショットの狙いどころを決めていく。長いコースほど、この逆算する力が問われるんです」(奥山、以下同)

14アンダーまでスコアを伸ばし、プレーオフに残った堀琴音、若林舞衣子のふたりはともに平均飛距離235ヤード前後と、現在の女子ツアーでは飛ばし屋とは言えない。それでもスコアを伸ばせるのはショットの正確性はもちろん、しっかりとピンから逆算したコースマネジメントができているからだと奥山は言う。

一方、アマチュアゴルファーが長いコースでスコアを崩してしまうのは、もちろん単純に「長いから」という理由もあるのだが、「逆算」をする習慣がないことも大きいという。「セカンドで何ヤード地点から、何番でグリーンを狙おう」というプランがないままティショットに臨むから、つい1ヤードでも飛ばしたい! と力んでしまう。その結果、しなくてもいいミスまでしてしまいがちだ。

画像: ツアー史上最長6763ヤードのコースで開催した「ニッポンハムレディスクラシック」で勝利をつかんだ堀琴音(撮影/岡沢裕行)

ツアー史上最長6763ヤードのコースで開催した「ニッポンハムレディスクラシック」で勝利をつかんだ堀琴音(撮影/岡沢裕行)

「アマチュアゴルファーの場合でも、プロのように”逆算”することがスコアをまとめるカギになります。ピン位置から逆算する……というのはさすがにハードルが高いと思うので、まずはグリーンを狙う距離をどのくらい残したらいいか考えるのはどうでしょうか?」

たとえば、「パー5の3打目はつねに100ヤード残す」というような習慣をつけるとスコアは格段にまとまりやすくなる。長いパー4でも、「パーオンは難しいから、得意な30ヤードを残して3打目勝負しよう」というふうにあらかじめ決め、そこから“逆算”してティショット、セカンドを打っていけば力んで無理攻めすることもなくなるからだ。

「たとえば410ヤードの長いパー4ならば、『ドライバーで1ヤードでも飛ばすぞ!』ではなく、3打目で得意距離を残すように逆算する。これは長いコース、長いホールに限ったことではなく、300ヤードのパー4のような短いホールでも『得意な100ヤードを残そう』というふうに逆算できるようになると大怪我がグッと減りますし、スコアもまとめやすくなります」

もちろん、そこはプロならぬアマチュア。いくら逆算したところでプラン通りにゲームを運べないということは多々ある。しかし、奥山は「事前にプレーするコースが決まっているのであれば、距離を確認してマネジメントのシミュレーションをして使用想定クラブの練習をしておくことがオススメ」という。そのことでプレーに余裕が生まれ、少なくとも力んでクラブを振り回して自滅することは防げるはずだ。

距離が長いコースで叩いてしまうのは飛距離不足が原因だと考えてしまいがちだが、それだけが問題ではない。どんなコースを目の前にしてもスコアをまとめられる“逆算力”こそが求められるものなのだ。

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