ロイヤルセントジョージズGCで開催されている第149回「全英オープン」。2年ぶりに開催された今季最後のメジャー大会の初日をプロゴルファー・中村修がレポート。

ロンドンから南へ車で約90分のサンドイッチという街にあるロイヤルセントジョージズGCは、ドーバー海峡に面したシーサイドのリンクスコースです。2011年に以来の10年ぶりの開催になりますが前回の優勝者は日本ツアーでも3勝を挙げているダレン・クラークでした。

当時現地取材したツアーカメラマンによると、うねるようなフェアウェイの傾斜や硬さ、深いラフはスコットランドのリンクスと同じだが、102個あるバンカーは大きく、グリーンも比較的大きい、そして常に風が吹いていてその方向も一定でないということです。

初日の天候は半袖でプレーできるほど暖かかったようですがピンフラッグを揺らす風は常に吹いていました。日本勢は松山英樹選手が欠場していますので、稲森佑貴、星野陸也、金谷拓実、木下稜介、永野竜太郎の5選手が出場。

海外メジャー初出場の永野選手と欧州ツアー参戦中の金谷選手がイーブンパーの48位タイ、木下選手は2オーバー91位タイ、星野選手は4オーバー127位タイ、稲森選手は5オーバー137位タイで終えています。

画像: 海外メジャー「全英オープン」初日をイーブンパー48位タイで終えた永野竜太郎(写真/Getty Images)

海外メジャー「全英オープン」初日をイーブンパー48位タイで終えた永野竜太郎(写真/Getty Images)

当地の日の出は5時、日の入りは21時過ぎということもあり、トップスタートは6時35分、最終スタートの16時16分まで1番からワンウェイのスタートになっています。そのため天候の差がスコアに結びつくことも多く、初日のスコアを見ると午前スタートだったルイ・ウーストヘイゼン(6アンダーで首位)、ジョーダン・スピース(5アンダーで2位タイ)らがリーダーボードの上位を占めています。

全英オープンらしく世界のトッププレーヤーが風に翻弄され深いラフから出すだけのショットを強いられていますが、それを耐えて最小限のスコアでしのぎ次のチャンスを待つ全英オープンならでは戦いが見られています。セントアンドリュースやカーヌスティといった他の全英開催コースと比べても、フェアウェイのうねるような傾斜が強く、バウンドによってラッキーやアンラッキーもありそうです。

そしてもう一つの見どころは、弾道の打ち分けがはっきりと見えるのも全英オープンならではです。特に風の下を潜らせるように低く打ち出したり、グリーン周りから転がすアプローチなど多彩なプロの技を見ることができます。

稲森選手の練習ラウンド後のインタビューでは、「グリーンの傾斜も大きくて、センターに乗せても傾斜で外に出てしまうようなホールもある」と話していました。頭と技術を使い攻める姿が見られることでしょう。

そんななか、私が注目したいと思っているのが海外メジャー初出場ではありますが落ち着いたプレーでコースに対応していた永野竜太郎選手です。

ミズノオープン2位の資格で参戦している33歳。ツアーではいまだ未勝利ですが、そのポテンシャルは誰もが認めるところです。

プレーの様子を見ると、飛距離に余裕があるせいか攻め方に無理がなく、ホールと対話しながらプレーをしているように見えました。そのときに求められる弾道を打ち分けるプレーぶりは初めての海外メジャー参戦とは思えない感じでした。

12番の短いパー4では距離を合わせた2打目をカップインさせイーグルを奪うなど、見せ場をつくることにも成功していますし、明日以降のプレーが楽しみです。まずはしっかりと予選を通過し、上位をうかがうプレーを期待したいですね。

初日は苦戦が目立った日本勢。2日目の巻き返しに期待しましょう!

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