300ミニのロフトは11.5度。クラブ長は43.75インチ
テーラーメイドから新たに発売された「300ミニドライバー」。300シリーズと言えば2001年に発売された「R300Ti」など名器を生み出したシリーズだが、そんな300シリーズを彷彿とさせるモデルが20年の時を経て再び登場したわけだ。
300ミニドライバーのヘッド体積は307cc。ドライバーのヘッド体積はルール上限である460ccがスタンダードとなった今日だが、フィル・ミケルソンが第2のドライバーとしてヘッド体積275ccのミニドライバー、テーラーメイド「オリジナルワン」をバッグインし海外メジャー「全米プロゴルフ選手権」を制したことで、今再びミニドライバーに注目が集まっている。
そんななかで発売となった300ミニの性能はいかほどか。さっそく堀口に試打してたしかめてもらおう。なおロフトは11.5度、シャフトは純正モデルのSフレックスを組み合わせて試打を行った。
まず300ミニのスペックを一通りおさらいしてみよう。まずヘッド体積は307ccとかなり小ぶり。ロフトは11.5度で、クラブ長は43.75インチと3番ウッドよりやや長めといった設定となっている。見た目について堀口はどのように評価したのだろうか。
「構えてみるとシャローで打ちやすそうな印象です。現代の大型ヘッドと比べるとかなり小さいですが、一昔前はコレが普通だったんですよね。僕からすると懐かしいサイズです」(堀口、以下同)
ソールのコスメ自体は「過去の300シリーズを彷彿とさせる」と堀口は言うが、後方にウェートが搭載されていたり前方には貫通型スピードポケットが搭載されていたりと、進歩した技術が採り入れられていることがうかがえる。フェースも既存のモデルにも採用されているツイストフェースとなっている。
そして何より目を引くのがVスチールソールを採用している点だ。
「これはその名の通りテーラーメイドのFW『Vスチール』に搭載されていた抜けを良くするプレートですね。300ミニは位置づけとしてはドライバーですが、全米プロでミケルソンが見せたような直ドラも設計段階から想定していることがわかります」
ではまずティアップした状態で300ミニを打った際のデータを見ていこう。
【堀口の300ミニドライバーの試打結果(ティアップ)】
HS45.2m/s キャリー247.3Y トータル268Y 打ち出し角13.2度 ボール初速65.7m/s スピン量2143.3回転
「まず小ぶりであることでかなり振り抜きやすいです。打感に関しては、スピードポケットが効いているのかすごく柔らかいのですが、フェースが小さいぶんどこか締まった感触もありますね。ドライバーというよりも、ちょうどSIM2のFWに近い感じです。ネック調整機能がニュートラルな状態だとつかまりが良い、とは感じませんが、曲げようと思えばドローもフェードもしっかり反応してくれるので、操作性はかなり高いですね」(堀口、以下同)
続いて、直ドラで300ミニを打った際のデータが以下だ。
【堀口の300ミニドライバーの試打結果(直ドラ)】
HS45.4m/s キャリー211Y トータル241.3Y 打ち出し角4.9度 ボール初速65.5m/s スピン量2442.3回転
「Vスチールソールのおかげもあってか、地面からでも自然に打てますね。ただ、ロフトが11.5度と、FWとしてみると立っている設定のため、やはり高さが出づらいですね。このまま使って高さを出したいなら最低でもHS42~43m/s程度は欲しいなと感じました。ただ、左へのミスをなくしつつ球を転がしてセーフティに飛距離を稼ぐ、という使い方は十分アリでしょう」
また、ロフトもプラスマイナス2度まで調整できるため、「SIM2FWのロケット3(13.5度)みたいな使い方もできそうですね」と堀口。つかまり具合も調整できるため「想像以上に自由度の高いクラブだと思います」という。
試打を終え、堀口は300ミニを「ティアップしても直ドラでも高い水準での活躍が見込めそうなミニドライバー」と評価。ただ、「いくつか注意点もありますね」という。
「まず、純正Sフレックスシャフトとの組み合わせの場合、ある程度のパワーが必要となってくること。そして直ドラする場合さらに難易度が跳ね上がることですね。また、ティアップの際も一般的なモデルより小さいぶん高さを変える必要が出てくる点にも注意です」
ただ、シャフトについてはカスタムによって十分対応可能。ネック調整機能によってつかまり度合いも調整できるので「単純に小ぶりヘッドや短尺ドライバーが好み、というだけでも十分オススメできるモデルですよ」と堀口。
何より、現代においてここまで小ぶりなドライバーはそれだけで圧倒的な個性であることは間違いない。もし興味があるならば、ぜひ一度試打してみてほしい。