「GMOインターネット・レディース サマンサタバサグローバルカップ」の最終日、首位から1打差の2位でスタートした若林舞衣子が、初優勝を狙う野澤真央との激闘を制し今季初優勝(通算4勝)を挙げた。プロゴルファー・中村修が現地からレポート!

アプローチとパターでゲームをつくる

先週の「ニッポンハムレディスクラシック」でプレーオフの末、堀琴音選手に敗れていた若林舞衣子選手が、今週は見事な勝利を収めました。産休明けでツアーに復帰し、20年ぶり6人目のママ優勝。そして先週の3ラウンド目以降、85ホールノーボギーのツアー記録も更新と記録づくめの勝利となりました。

画像: 産休後にツアー復帰し20年ぶり6人目のママとして優勝と連続ノーボギー記録も更新した若林舞衣子(写真は2021年のGMO&サマンサカップ 写真/姉崎正)

産休後にツアー復帰し20年ぶり6人目のママとして優勝と連続ノーボギー記録も更新した若林舞衣子(写真は2021年のGMO&サマンサカップ 写真/姉崎正)

そのプレーを振り返ってみましょう。若林選手は出だしの1番をバーディとし、ピン奥から3パットボギーの野澤選手をいきなり逆転し首位に立ちます。しかし野澤選手も立ち直り3番、4番と連続バーディを奪い再び首位に。

ところが6番ホールでは野沢選手が左の林に打ち込みダブルボギー。このホールをバーディとした若林選手が再び首位に立つという前半から目が離せない展開が続きます。

画像: 安定したリズムで崩れないショット、強い気持ちで2週連続のプレーオフを戦いついに優勝を手にした若林舞衣子(写真は2021年のGMO&サマンサカップ 写真/姉崎正)

安定したリズムで崩れないショット、強い気持ちで2週連続のプレーオフを戦いついに優勝を手にした若林舞衣子(写真は2021年のGMO&サマンサカップ 写真/姉崎正)

若林選手はノーボギー記録更新がかかった10番ホールをバーディとするなど快調に飛ばし、バックナインでは野澤選手をリードする展開が続きますが、1打差で迎えた18番でまさかのボギーを叩き、2週続けてのプレーオフへと突入します。そして迎えたプレーオフ2ホール目、2メートルのバーディパットを決めた若林選手が優勝を手にしました。

画像: プレーオフ2ホール目で2メートルのバーディパットを決め「天国で喜んでくれたら嬉しい」と6月末に他界した母親を胸に戦った(写真は2021年のGMO&サマンサカップ)

プレーオフ2ホール目で2メートルのバーディパットを決め「天国で喜んでくれたら嬉しい」と6月末に他界した母親を胸に戦った(写真は2021年のGMO&サマンサカップ)

このときの気持ちを会見で「本当に解放された」と表現した若林選手。6月末に母親を亡くし、悲しみを背負ってのプレーだった先週にプレーオフで敗退し、今週こそ負けたくないと強い気持ちで臨んだ今週だったと言います。その気持ちが、初優勝を狙った野澤選手をわずかに上回った結果となりました。

終始安定したテンポで崩れる気配のないプレーぶり。もともとアプローチとパッティングで武器にゲームを作るプレースタイルに加え、ツアーに復帰する際にスウィングを改造し、トレーニングを積んで飛距離を伸ばしたことだといいます。

画像: スタート前に基本とするピッチエンドランのアプローチと練習用パターとスティックを使ったドリルで武器とするショートゲームに磨きをかけ連続ノーボギー記録を更新した(写真は2021年のGMO&サマンサカップ)

スタート前に基本とするピッチエンドランのアプローチと練習用パターとスティックを使ったドリルで武器とするショートゲームに磨きをかけ連続ノーボギー記録を更新した(写真は2021年のGMO&サマンサカップ)

ただ、やはりノーボギー記録、そして優勝のベースになったのはショートゲームだと思います。なので、スタート前に行っていたショートゲームの練習について質問してみました。パッティングに関しては練習用の柔らかいシャフトのパターを使った練習をしているようです。

「練習ラウンドでいろいろなアプローチはやっているので、スタート前は基本となるピッチエンドランのアプローチだけ少しやります。パターは練習前にシャフトの柔らかい練習用パターを使って振り急がずに一定のリズムで打つ練習の後、スティックを使って打出しの確認をします」

自分のプレースタイルを認識してそれを磨いて武器にすること、優勝争いの緊張感の中で崩れないためのリズムの保ち方、積み重ねた経験を生かして優勝した若林選手のプレーは誰にでも参考にできるプレーだったのではないでしょうか。

画像: 敗れはしたが初優勝狙った野澤真央のプレーも光った((写真は2021年のGMO&サマンサカップ)

敗れはしたが初優勝狙った野澤真央のプレーも光った((写真は2021年のGMO&サマンサカップ)

惜しくも敗れた野澤選手も青木翔コーチの指導のもと自己最高位を塗り替え初優勝が視野に入ってきています。毎週のように繰り広げられる国内女子ツアーの熾烈なサバイバルゲームは数々のドラマを見せてくれます。今週の「大東建託・いい部屋ネットレディス」ではどんなドラマを見せてくれるのか引き続き注目していきます。

This article is a sponsored article by
''.