女子海外メジャー「アムンディ エビアン選手権」の最終日、古江彩佳は6バーディ2ボギーの67でプレーしトータル15アンダーの単独4位、アマチュアの梶谷翼はトータル2アンダー48位タイで終えた。日本勢の躍動を、プロゴルファー・中村修がレポート。

アイアンショットがキレキレだった

今季女子メジャー第4戦「アムンディ エビアン選手権」はフランスのエビアンリゾートGCで開催されました。1997年に小林浩美現日本女子プロゴルフ協会会長、2009年、2011年には宮里藍さんが優勝(ただし当時は非メジャー)と、日本勢が活躍した馴染みのある大会です。今大会にはロレックスランキング上位の資格で古江彩佳選手とオーガスタナショナル女子アマ優勝の資格でアマチュアの梶谷翼選手の2名が出場しそれぞれ結果を残しました。

古江選手は、オリンピック代表を逃したうっぷんを晴らすように初日を3位タイでスタートし、3日目を終えて首位のイ・ジョンウン6に7打差の4位タイで最終組の一組前でスタートしました。出だしのホールでティショットを左のラフに入れボギーとしますが3番でバーディ、6番でもボギーとしますが7番でもバウンスバックのバーディを奪いパープレーで折り返すと、後半は4つのバーディを奪いスコアを一気に伸ばします。

そのプレーは、パーオン率80.75%のキレキレのアイアンショットで左右に振られたピンを狙い、グリーンを外してもアプローチとパットでパーを拾うという、昨年見せてくれた「強い古江彩佳」のゴルフでした。

画像: 海外メジャー「アムンディ エビアン選手権」でアイアンショットのキレが冴えわたり、単独4位と躍進した古江彩佳(写真/Getty Images)

海外メジャー「アムンディ エビアン選手権」でアイアンショットのキレが冴えわたり、単独4位と躍進した古江彩佳(写真/Getty Images)

2021年が開幕してから今ひとつ波に乗れていませんでしたが、安定したスウィングのテンポ、力まずにタメを作れる切り返しのタイミング、そして楽しみながらプレーする姿は「強い古江彩佳」が戻ってきたなと印象づけられました。

メジャーの大舞台で伸ばし合いの展開についていけたことは大きな自信になったことでしょう。このあと8月19日から4日間の日程で開催される「AIG全英女子オープン」出場のためイギリスに移動しますので、帰国後の隔離期間も含めてしばらく日本ツアーを離れることになりますが、その決断を自ら正しかったものにするプレーぶりは、なにより彼女自身を大きく成長させることになるはずです。

一方のアマチュア梶谷翼選手は、「全米女子オープン」で予選落ちしたものの今大会ではしっかりと予選を通過。惜しくもローアマ(最優秀アマチュア)は1打差で逃しましたが、最後まで攻める姿勢を見せてくれました。オーガスタナショナル女子アマを優勝したことで得られた出場資格を生かして大きな経験を積み、さらに成長した姿を近い将来プロとして見せてくれることでしょう。

大会結果は、5打差の首位で出た2019年の「全米女子オープン」覇者のイ・ジョンウン6と、この日7アンダーでプレーしたミンジー・リーとのプレーオフの末、ミンジー・リーがメジャー初優勝を飾りました。

ショット、パットともに冴えわたったミンジー・リーは古江選手と同組だったので、メジャー優勝を成し遂げるゴルフを目の前で見たことも収穫になったのではないでしょうか。古江選手の復調で8月の「AIG全英女子オープン」の楽しみがまた一つ増えました。

This article is a sponsored article by
''.