松山、モリカワ、シャウフェレが優勝候補
「金メダル候補として挙げたいのは今季メジャーを制覇している世界ランク上位者の松山英樹選手(世界ランク20位)とコリン・モリカワ(同3位、アメリカ)。そして、今季ずっと安定しているザンダー・シャウフェレ(同5位、アメリカ)と予想します。開催コースである霞ヶ関カンツリー俱楽部はアイアンの精度がカギになりますから、そういった意味でもこの3選手はメダル争いに絡んでくると思います」(佐藤、以下同)
松山は7月に新型コロナウイルスに感染し、海外メジャー・全英オープンを欠場。体調が心配されていたが、霞ヶ関CCで練習する様子も見られ、順調に回復しているようだ。体調万全で臨めたら「金メダルをとれる可能性は高い」と佐藤は言う。
アメリカ激戦が予想されるメダル争いに大きな影響を与えそうなのが、直前に新型コロナウイルス感染が判明した世界ランク1位のジョン・ラーム(スペイン)と6位のブライソン・デシャンボー(アメリカ)の欠場だ。
もちろん二人ともメダル候補、とくにラームは本命と言ってもいい存在だ。佐藤は「注目の2選手が欠場なのは残念」と語りつつ、デシャンボーの代替選手として出場するパトリック・リード(世界ランク13位)に「メダル争いの可能性がある」と言う。
「前回のリオ五輪も出ていますし、彼は愛国者として知られていて、アメリカ代表として戦うライダーカップの強さをみてもメダルのチャンスは高いと思います。彼はグリーン周りやパッティングなど小技が上手い選手なので、準備期間は短いけど試合をしながら調整してくるはず。もちろんハードスケジュールという不安要素はありますが、もともと試合を詰め込むタイプなので楽しみにしていると思いますよ」
そしてダークホースとしては「韓国勢に注目している」という。
「韓国からはイム・ソンジェとキム・シウが出場しますが、2選手とも全英を欠場してオリンピックに向けて準備をしています。韓国には兵役がありますが、メダリストになると免除されることから背負っているものが違うはず。とくにイム・ソンジェは日本ツアー経験者ということもあって日本のゴルフ場に慣れていますし、世界ランク27位と実力もありますから楽しみな一人です」
日本の夏の暑さと湿度は、海外選手にとっては未経験のもの。そして日本の芝にも慣れている日本勢と日本ツアー経験者には、一定のアドバンテージがある。その意味では、現在日本ツアーで賞金ランクトップを走る星野陸也(世界ランク84位)にもチャンスはある。
「全米オープンでは26位に入るなどナイスプレーをみせた星野陸也選手は、全米オープンでの経験がモチベーションになっているはずですし、万全な体調で臨めたらメダルのチャンスはあると思います」
自国開催のオリンピックでメダルを狙う松山、星野。そして、メダリストの称号をつかむべく全力でプレーするであろう世界の強豪たち。4日間の競技が終わったあと表彰台の一番高いところに立っているのは果たして誰か。
いずれにせよ、すべてのゴルフファンを熱狂させる試合となることは間違いなさそうだ!