7月初旬に新型コロナウイルスに感染し、「全英オープン」を欠場して治療に専念した松山英樹。回復後に初めて出場する試合が「オリンピック」となったが、先週末から既に開催コースの霞ヶ関カンツリー倶楽部入りし、連日猛暑の中、練習に励んでいる。
「日本でやるオリンピックにプレーヤーとして出られることは、最初で最後だと思うんで、その中で選ばれてプレーできるのはすごく嬉しいこと。3週間前にコロナにかかってから、ここに立てるかちょっと不安があったが、来られてよかった」
コロナに感染し陽性反応が10日間ほど続いたそうだが、「かかった時の数字が結構ひどかった」という。吐き気や頭痛があるとも言われていたが、10日目にようやく陰性になり、すごく嬉しかったと心情を吐露した。
「10日間くらいずっと陽性が出続けたので、本当に自宅でゆっくり、早く体調を戻すことを考えて過ごしていた。その間は練習もできなかったですし……」
本格的に練習を開始したのは、帰国後のこと。ゴルフの調整が遅れていたというが、昨日はコロナ感染後、初めて歩いて18ホールプレーし、練習場での打ち込みもしっかり行なった。
気になるのは体力の回復具合。「思ったよりもできた」といい、あとは試合中の集中力、体力の減りに関しては未知数なだけに、気持ちでカバーしたいと語っている。炎天下での彼の連日の練習を見れば、つい最近までコロナを患っていたとは思えないくらいの回復力だ。
丸山茂樹ヘッドコーチは「万全にできたわけじゃないから……外に出てマラソンした時に思ったより思ったところまで走れなかったっていうぐらい体力を奪われているわけだし、この暑さだから響くに決まっている。彼はそこを言い訳にはしないと思うが、僕はどこかでその影響が出なければいいと心配している」と語った。
記者会見では、ゴルフができる喜びを改めて強く感じたと語った松山。今から11年前、「アジアアマチュア選手権」に優勝し、日本人で初めてアマチュアとして「マスターズ」への出場権を獲得した霞ヶ関CCは、海外への扉を開いてくれた重要な地なだけに、強い思い入れもある。
「自分が変わった場所じゃないけど、思い出のある場所なので、今回のオリンピックでもいい成績を出して、また変われたらいいなと思う」
なおコースセッティングに関しては、「素晴らしいコースセッティング。今まで日本でやった芝の中ではボールが沈んだり、タフなセッティングになっていると思うし、ティショットでフェアウェイキープが大事になってくると思う」と気を引き締めた。
一方、星野陸也は初日の1組目(7時30分スタート)でオープニングのティショットを放つことになっている。
「1番ホールのティショットはちょっとフェアウェイが狭いので、緊張感があるが、しっかりフェアウェイキープできるように、いいティショットが打てるようにスタートしたいと思います」
小さい頃からテレビで観て憧れていたオリンピック。しかも母国開催の大会であるから、出場が決まり喜びもひとしおだ。6月の「全米オープン」時まで残りの1スポットを争っていた星野だが、同大会で26位タイに入ることで、「徐々に自分の持ち味を生かしたプレーができてきている」と世界の大舞台で戦う自信をつけ始めている。
連日の日本の金メダルラッシュに、「自分も頑張ろう」と刺激を受けているという星野。日本への追い風を力に変えて、男子ゴルフからも金メダリストが出ることを大いに期待したい。