畑岡は堂々の優勝候補として五輪へ
いよいよ始まった東京五輪ゴルフ競技。今回は来週行われる女子ゴルフの注目選手を紹介したい。
まずは日本勢。畑岡奈紗は今年の全米女子オープンで、笹生優花とプレーオフを戦い堂々の2位。その後行われたマラソンクラシックで優勝と好調をキープしている。調子がよく、五輪にかける思いも強いであろう畑岡は、優勝候補筆頭だろう。
今期絶好調の稲見萌寧も有力選手といっていい。国内での戦歴は申し分なく、畑岡同様日本のコースに慣れている点がアドバンテージになる。畑岡も稲見もアマチュア時代には、日本ジュニアの聖地である霞が関CCでしのぎを削ってきた経験もある。日本の酷暑はどの選手にとっても厳しい条件だが、その点でも彼女たちには有利に働くのではないだろうか。
アメリカでは、ネリーとジェシカのコルダ姉妹に、日本でも人気の高いレキシー・トンプソン、そしてダニエル・カンが出場予定だ。目下、世界ランキング一位のネリー・コルダは飛距離も出て、ショットもパットも上手いオールラウンドプレイヤーだ。姉妹揃って、畑岡、稲見の強敵になりそうだ。
韓国からは、2019年、2020年のLPGA賞金女王、コ・ジンヨンが出場。加えて、優勝争いに絡みそうなのは、パク・インビ、キム・ヒョージュの日本ツアーに参戦経験のある2人だ。特に、1グリーンへのコース改造を経て、パッティングが勝負の鍵になりそうな今回の五輪では、パットの名手であるパク・インビは有力な優勝候補だ。
今回はフィリピン代表として出場する笹生優花も優勝候補だ。全米女子オープンで最年少優勝を果たした強さは本物。笹生もまた日本ジュニアで霞が関CCの試合経験がある(※西コース)。このあたりも有利に働くだろう。
日本では屈指の飛ばし屋である笹生優花だが、それを上回りそうな飛ばし屋が五輪に参戦してくる。レキシー・トンプソンの飛ばしっぷりが日本では有名だが、今回はLPGAツアーでドライビングディスタンス1位のオランダ代表、アン・バンダムが出場する。そして、バンダムを上回りそうな迫力のあるメキシコのマリア・ファッシにも注目だ。
コルダ姉妹やメキシコのギャビー・ロペスも相当の飛ばし屋だが、日本でも人気の高いカナダのブルック・ヘンダーソンもドライビングディスタンスが現在6位と豪打を武器にしている。48インチの長尺ドライバーを短く持って、振り回す異色のスタイルが日本でも猛威をふるうだろう。ちなみにヘンダーソンは軽井沢で2014年に行われた世界アマで来日経験がある。
大きな国際試合で、日本選手がこれだけ有利な条件でプレーできる機会はなかなかないだろう。ぜひメダルを期待したいところだ。