東京オリンピックのゴルフ競技はアメリカのザンダー・シャウフェレの勝利で幕を下ろした。松山英樹も最終盤まで金メダル争いに絡んだ最終日の模様を、プロゴルファー・中村修がレポート!

14番を終えて首位と1打差まで肉薄したが……

金メダルをかけて首位と1打差の単独2位からスタートしたオリンピックゴルフ最終日。松山選手は1番ホールのティショットをいきなり左に曲げてしまいますが、ミスらしいミスはその1打くらい。スコアはなかなか伸ばせませんでしたが、ショット自体は非常に安定していました。

画像: オリンピック男子ゴルフで金メダルに輝いたアメリカのザンダー・シャウフェレ

オリンピック男子ゴルフで金メダルに輝いたアメリカのザンダー・シャウフェレ

それもあってか、首位を快走するザンダー・シャウフェレ(アメリカ)に最大5打差をつけられても、そのプレーからは焦りの色が見えてきません。8番ボギーのあと、9番でバウンスバックのバーディ。10番を挟んで11、12と連続バーディ。トップとの差を一気に2打まで縮めます。

すると14番でシャウフェレがティショットを大きく右に曲げてボギー。その間に松山選手は2オンに成功し、バーディを奪います。これでスコアは16アンダー、首位との差は1打にまで肉薄します。金メダルへ、一気に視界が開けた瞬間でした。

しかし、追撃はここまででした。15番でボギーを打つと、16番、17番、18番とチャンスを決めることができず、銅メダルを争う7人のプレーオフに回り、1ホール目でボギー。惜しくもメダルには手が届かず、4位タイでオリンピックの戦いを終えました。

画像: ザンダー・シャウフェレ(左)と最終組で最後まで激闘を繰り広げた松山(右)

ザンダー・シャウフェレ(左)と最終組で最後まで激闘を繰り広げた松山(右)

金メダルに輝いたのはアメリカのザンダー・シャウフェレ。これまでメジャーの大舞台で強さを見せながら、タイトルにほんのわずかに手が届いていなかった彼が、ゆかりのある日本でその力をついに発揮できたのだと思います。

スコアを伸ばした最終日の前半はスウィングテンポや力感が安定していました。後半は苦しい展開になりましたが、ウイニングショットとなった18番のサードショットは調子が良かった前半のテンポと力感を再現したようなショットでした。

画像: 金メダルはザンダー・シャウフェレ、銀メダルはロリー・サバティーニ、銅メダルはC.T.パンが獲得した

金メダルはザンダー・シャウフェレ、銀メダルはロリー・サバティーニ、銅メダルはC.T.パンが獲得した

終わってみれば、金メダルにふさわしい見事なプレー。来年以降はメジャータイトルにも大いに期待がかかります。

そして、45歳にしてオリンピックの大舞台に臨み、最終日に61という大爆発で銀メダルを獲得したロリー・サバティーニ(スロバキア)もすごい。国を背負い、メダルにかけた強い気持ちが素晴らしいパフォーマンスにつながったのでしょう。キャディを務めた奥さんとも息が合っていました。

画像: 優勝争いに最後まで絡んだ松山英樹だったが、メダルには惜しくも一歩手が届かなかった

優勝争いに最後まで絡んだ松山英樹だったが、メダルには惜しくも一歩手が届かなかった

ザンダー・シャウフェレが金、ロリー・サバティーニが銀、そして7人でのプレーオフの末、C.T.パン(台湾)が銅メダルに輝いた東京オリンピックの男子ゴルフ競技。メダルには手が届きませんでしたが、松山英樹選手のプレーには4日間大いに興奮させられました。そして星野陸也選手は最終日に5つスコアを伸ばし38位タイまで順位を上げました。

水曜日、8月4日からは畑岡奈紗、稲見萌寧両選手が出場する女子ゴルフ競技が幕を開けます。引き続き、日本選手の活躍を期待したいと思います!

撮影/服部謙二郎

画像: 東京オリンピック、金メダルおめでとう!シャウフェレ(シャフリー)の飛ばしの秘密はどこ? youtu.be

東京オリンピック、金メダルおめでとう!シャウフェレ(シャフリー)の飛ばしの秘密はどこ?

youtu.be

This article is a sponsored article by
''.