つねに一定のテンポのスウィングで金メダルをつかんだ
メジャー未勝利ながら、つねにメジャーでも優勝候補に挙げられる世界のトップ選手。シャウフェレのオリンピックでのプレーは金メダルにふさわしいものでした。身長は178センチと、PGAツアーの選手の中では小柄。しかし、PGAツアーのスタッツを見ると、その飛距離は平均307.0ヤードで21位とツアーでも上位に位置します。
![画像: 東京オリンピックの男子ゴルフ競技で金メダリストに輝いたザンダー・シャウフェレ](https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16782728/rc/2021/08/01/75d3c70c604ae4c62e3f32bdad7859a41914306e_large.jpg#lz:xlarge)
東京オリンピックの男子ゴルフ競技で金メダリストに輝いたザンダー・シャウフェレ
そのスウィングを見ると、テークバックはむしろゆっくり。左手首を手のひら側に折りながら、シャフトがターゲットよりやや左を向くレイドオフ気味のトップを迎えます。
そこから体幹を使って切り返すと、左ひざを伸ばすように地面に圧力をかけていきます。インパクトでは、その圧力を体の回転力に変化し、胸がターゲットを向くくらい思い切り体を回しています。
![画像: 左手首を手のひら側に折りながら、レイドオフ気味のトップを迎える](https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16782728/rc/2021/08/02/eb4f06b9f474985999199f6842f37f41754358c2_large.jpg#lz:xlarge)
左手首を手のひら側に折りながら、レイドオフ気味のトップを迎える
さして大柄でもなく、ものすごく速く振っているようにも見えないと思いますが、このように体幹を使って切り返すことで体がブレることなく、地面に大きな圧力をかけることができます。それによりシャフトにも負荷をかけることができ、シャフトのしなり戻りのエネルギーも含めて、大きな飛距離を獲得しています。
基本的な持ち球はドローボール。トップから右肩よりも低い位置にシャフトが下りてくるのですが、これはしっかりとインサイドからアタックできている証拠。さらに、左手首を手の平側に折ることによって、インパクトゾーンでしっかりとフェースをコントロール。安定したドローを打つことができています。
![画像: 体幹を使って切り返すことでシャフトに負荷をかけ、インパクトでは地面の圧力を体の回転力に変化させている](https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16782728/rc/2021/08/02/6d20b4baa97b54ceaf2705bac4cdd2e7b0a57707_large.jpg#lz:xlarge)
体幹を使って切り返すことでシャフトに負荷をかけ、インパクトでは地面の圧力を体の回転力に変化させている
ただし、ドロー一辺倒という選手ではありません。ティショットでもフェードを打つ姿が見られましたし、バンカーやラフからのショットでは少しアップライトにクラブを上げてカットに振り抜いたりと、クラブ軌道を変化させて弾道を操る高い技術を持っています。
メジャータイトルにはまだ縁がありませんが、この金メダルはきっと彼をさらに強くするはず。来年以降のメジャー戦線でも、本命としてつねに優勝争いに絡むような活躍を見せてくれるのではないでしょうか。
撮影/服部謙二郎
東京オリンピック、金メダルおめでとう!シャウフェレ(シャフリー)の飛ばしの秘密はどこ?
youtu.be