ミニドライバーは初心者ゴルファーの救世主となるか?
こんにちは、ゴルフ記者・S子です。
最近、私の中学時代の同級生がゴルフにハマっています。仮にA君、B君としますが、二人ともドライバーがちょっと苦手。「S子、どうしたらいいと思う?」と聞かれるのですが、私に答えるのはちょっと荷が重い。
そこでS子は考えました! 二人が使っているのは460ccのイマドキのドライバー。それで上手く打てないんだったら、最近よく見る「ミニドライバー」を打ってみてはいいのでは!? と。
というわけでさっそく7月に発売されたばかりのテーラーメイド「300ミニドライバー」を用意。長さは43.75インチと通常より2インチくらい短く、ヘッド体積は307ccと小ぶり。「これを二人に打たせたら企画になるかも……」という下心も抱きつつ(笑)、いつも二人と練習する練習場に向かいました。
さて、簡単に2人の球筋の傾向を説明すると、A君(平均スコア105前後)は右に出て右に曲がる高い球筋のスライサーで、B君(平均スコア110前後)は右に出て左へ曲がる低い球筋のフッカーです。タイプが真逆の2人のゴルファーにとってミニドライバーは救世主となってくれるのでしょうか!?
まず打ったのはA君。小さいヘッドに「ちゃんと当たるか不安だな〜」といいつつ打ってみると……結果は驚くなかれ、飛距離240ヤードと普段の飛距離と変わらず、曲がり幅がグンと抑えられている。これには本人も「ヘッドも小さくてシャフトも短いのに距離が全然変わらない(笑)!」と驚きの様子。しかも、1発のマグレ当たりではなく、何度打ってもつかまったストレートフェードが出たんです!普段は練習場の右のネットに当ててるのに……!
こうなると、B君にも俄然期待がかかります。B君も大成功となれば、S子が尊敬されるのは間違いありません(笑)。ただ、実際に試してもらうと、飛距離は出ているのですが、チーピンのように左に引っかける度合いが強まってしまいました……「短いほうが簡単そうなのに、普段使っている45インチのほうが合うのかな?」とB君。うーん、B君にはあまりハマらなかったみたいです。
一体どうして、このような違いが生まれたのか、スウィングコーチの関浩太郎さんにA君、B君のスウィング動画を見てもらいつつ、解説してもらいました。
「460CCのドライバーは重心深度が深く、直進安定性が高いのが特徴。ですが、同時に球のつかまりを決定づける重心距離も長くなってしまいます。重心距離は長いほど右に行きやすく、つかまりづらいドライバーに。短いほど右に行きにくい、つかまりやすいドライバーになるんです。なので、体積が小さくなったことで重心距離が短くなったミニドライバーは、スライサーのA君にハマったんだと思います。43.75インチと短いことで、振り遅れのミスも出にくいですから。B君の場合はシャットにフェースを使うタイプですから、スライスというよりはフックするミスが多いはずです。なので、重心距離の浅いミニドライバーを使うことでさらに引っかけてしまう度合いが強まってしまったようですね。」
なるほど~! だからスライサーのA君にはハマり、フッカーのB君にはいまいちハマらなかったんですね~。ということは、A君のようなスライサーなら初心者ゴルファーでも試す価値ありということなのでしょうか?
「世界のトッププロが使用していることで上級者が使うクラブと思う人も多いかもしれませんが、スウィングタイプによってはミニドライバーが合うという初心者ゴルファーもいます。とくに初心者にありがちな右に曲がるA君のようなスライサーゴルファーにとっては試してみる価値は十分にあるはずです。また、B君のようなフッカーも、たとえばヘッドのトウ側に鉛を沢山貼るだけでも重心距離が長くなり、結果が変わるはずですよ」
S子自身もミニドライバーというと上級者ゴルファーが使用するイメージでしたが、そうとは限らないみたい。S子も打ってみましたが、飛距離は190ヤードとほぼいつも通り。そして短い分球のバラつきが少なかったですよ〜。
460CCのドライバーでスライスに悩んでいる初心者ゴルファーにとってミニドライバーは安心してティーショットが打てる救世主になる……かもしれないですね!