ドライバーを新調しようとゴルフショップで何種類か試打。一番飛んだクラブを選んだのに、しばらく経つと飛距離が落ちて元どおり……なんてことがよくある。これは一体なぜ起こる? 原因を探った。

つねに「10」の力で振れるのが理想

「たとえば、ゴルフショップで300グラム、290グラム、280グラムのドライバー3本を順に試打していくとします。そうすると重たいクラブから軽いクラブを振っていくわけですから、どんどん速く振ることができますよね。ヘッドスピードが速くなれば、芯に当たったときの飛距離は280グラムのクラブが一番出せると思います。しかし、このように選んだ場合、数か月後に飛距離が元どおり、むしろ落ちるということが起こる可能性があります」(小倉)

そう語るのはクラブフィッターで“ギアオタク店長”として知られる小倉勇人氏。ある程度キャリアのあるゴルファーなら、多かれ少なかれ似たような経験をしているケースは多いはず。2、3ラウンド光り輝く結果を残し、結局元のエースドライバーに席をゆずって中古ショップや物置送りになったドライバーがある、という人は少なくないだろう。

これは一体なぜ起こるのか。小倉氏は続ける。

「たとえば元々300グラムのドライバーを使っていた人が、試打結果が良かったことから280グラムの軽量ドライバーを使用することになったと仮定します。そうすると今までは『10』の力で振っていたものが、20グラムも軽くなったことで『8』の力で十分ということになり、『10』のエネルギーを忘れてしまうんです。だから結果的に3カ月後には飛距離が出ないという悩みが浮上してくる。もちろん一発の飛びを求めるゴルファーは軽いクラブを選んでいいと思います。だけど、速く振るにも鍛練が必要。たとえば、ドライバーを振る前にウェッジ2本を持って素振りしたり、『軽さを感じる』準備をしておくなどの工夫は必須です」(小倉)

画像: スコアを作るために気をつけたいドライバーの選び方とは?(撮影/有原裕晶)

スコアを作るために気をつけたいドライバーの選び方とは?(撮影/有原裕晶)

では、飛距離だけでなくスコアも作ろうと思ったときに、どんなドライバーを選べばいいのだろうか? 小倉氏は「ある程度の重さがあるクラブを選ぶことがオススメ」だという。

「私はフルスウィングを5回連続でしてもらってヘッドスピードが落ちなければその重量のクラブは使える、18ホールは持つという目安だと思ってくださいとよく伝えています。やっぱり18ホール振れる体力がないと意味がないですからね」(小倉)

3回振ったらヘッドスピードが落ちてしまったら重すぎだし、15回振ってもヘッドスピードが落ちなかったら、それはむしろ軽すぎということになる。昔から言われていることだが、ドライバーの最適重量は「振り切れる範囲で重いのがいい」ということだ。

結局は、自分のスタイルに合ったドライバーを選ぶことが大事ということ。まずは自分のクラブが5回連続でフルスウィングしたときに、疲れずに振り切れるかどうか、試すことからはじめてみてはいかがか。

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