タイトリストのニューアイアンシリーズ4モデル「T100」「T100S」「T200」「T300」とともに発表されたのが、「T200ロングアイアン」と「U505」ユーティリティ。見ての通り、外見的には“そっくり”と言っていい。
2モデルともアイアンセットの上に入れる番手となっているが、それぞれどのような性能になっているのか。さっそくプロゴルファー・中村修と堀口宜篤に試打してたしかめてもらおう。
T200よりユーティリティライクな「T200ロング」
まずはT200ロングから見てみよう。その名の通りT200アイアンのロング番手バージョンで、T200にはない2番(17度)、3番(20度)4番(22度)のロング番手をラインナップ。
カテゴリとしてはユーティリティアイアンとなっているが、中空構造かつトウ・ヒール側に高比重タングステンウェートを配置し重心位置を最適化するなど、採用されているテクノロジーはT200と共通。見た目の印象はどうだろうか。
「ロフトが立っていることもあり、T200の7番と比べると構えたときにバックフェースが少し出っ張って見えるようになっていますね。アイアン型ユーティリティらしいやさしさを感じます」(堀口)
では3番(20度)での両者の試打結果を見てみよう。
【堀口のT200ロング(3番)の試打結果】
HS39m/s キャリー203.7Y トータル216.7Y 打ち出し角12.8度 ボール初速58.3m/s スピン量3268.3回転
【中村のT200ロング(3番)の試打結果】
HS37.7m/s キャリー183.3Y トータル197.3Y 打ち出し角12.0度 ボール初速56.3m/s スピン量4221回転
「一昔前の3番アイアンとは比べものにならないくらい高さが出ることに驚きました。打感は少し弾き感がありますが、打ってすぐ『球が高いな』とわかるので逆にちょっと心地良い感じですね」(堀口)
中村も「一般的な3番アイアンとはちょっと違うレベルの球の高さ、そして安定感があります」と評価した。わざわざ「ロング番手」だけを独立させてリリースするだけあって、その機能はユーティリティ的なやさしさ、上がりやすさを兼ね備えているようだ。それでいて形状的にはアイアン感が強いのが特徴と言えそう。
同ロフト・クラブ長でもよりやさしく飛ばせる「U505」
続いて試打した「U505」はアイアン型ユーティリティ。ツアープレーヤーのフィードバックを受け、従来モデルよりブレード長を短くしつつ、フェースもシャローになっているという。
ソール幅も広く設計されており「構えてみるとT200ロングよりさらにバックフェースが出っ張っていて、よりやさしさを感じる形状です」と堀口。では両者が3番(20度)を試打した際の結果を見てみよう。
【堀口のU505(3番)の試打結果】
HS39.3m/s キャリー211.5Y トータル230.5Y 打ち出し角12.1度 ボール初速60m/s スピン量3200回転
【中村のU505(3番)の試打結果】
HS37.7m/s キャリー196Y トータル207.3Y 打ち出し角13.8度 ボール初速56.7m/s スピン量3744.7回転
試打した両者が驚いたのはT200ロングと同じロフトかつ、シャフトのモデルやクラブ長(39.25インチ)もそろえたのにも関わらず、飛距離性能に差があった点だ。
「飛距離はキャリーで10ヤードほど違いますね。U505のほうが飛んでいます。打ってまず感じたのは球の強さ。打った瞬間に初速が出ているのを感じますね。つかまり性能に関してもU505のほうが高いと感じました」(堀口)
中村は「ミスヒットへの寛容性に関してもU505に軍配が上がります」という。
「ソール幅も広く、しっかり滑ってくれるので楽に打てます。実際に芝の上から打った際に、T200ロングアイアンとのやさしさの違いがもっと感じることができそうですね」(中村)
T200ロングアイアンが難しいわけではないのだが、U505がアイアン型ユーティリティとしてはちょっと破格にやさしいというのが試打者の印象。いずれにせよ、一昔前のロングアイアンよりも格段に高さを出しつつやさしく打てるように進化している。従来のアイアンのロング番手やアイアン型ユーティリティは上級者限定という印象がどこかにあるが、このクラブはもう少し幅広い層が武器にすることができそう。
「よりやさしさを求めるならU505、飛距離や顔などの面でアイアンとの流れを気にするならT200ロングアイアンがオススメでしょう」と堀口は言う。同時発表されたTシリーズアイアンとあわせて試打してみてはいかがだろうか。