初日を4アンダー2位タイで終えていた世界ランク1位のネリー・コルダが2位に4打差をつけて2日目を終えています。キャリー250ヤードを越えるドライバーショットに正確なアイアンショットが持ち味ですが、今日はパッティングがすごかった。
もちろんカップが切られているのと同じ面に乗せていることもありますが、長いパットをことごとく沈め、前半は1イーグル4バーディ、後半も3連続を含めて5バーディがあり、最終ホールでダブルボギーを叩きこそしましたが、圧巻のゴルフを見せつけました。
昨日に引き続きグリーンのスピードは速く、硬さもあるように見えますが、パー4やパー5のティーイングエリアを前に出し、距離を短く設定したこともあって好スコアが続出しました。6位タイに入った稲見選手も含めて5アンダー以上のスコアを出した選手は9名。正確にピンを攻めるショット、どこからでも入れてくるパッティングと、さすがは世界のトップ選手というプレーが随所に見られました。
注目の日本勢稲見選手は、前半だけで5つスコアを伸ばす順調な立ち上がり。後半は少し伸び悩みましたが、最終18番では池越えのセカンドを奥の傾斜を上手く使ってピンそばにピタリと寄せます。これをしっかりと決め1イーグル5バーディ1ボギーの6アンダー、トータル7アンダーとし6位タイで2日目を終えました。
「今日は悪いショットも少なく、昨日よりパターが入りました。あんまりメダルは気にしていなくてスコアを少しでも伸ばせたら、上位で戦えていたらいいので。最終的な結果論は気にしていない」
プレー後の会見ではこのように話していましたが、稲見選手は代表に選出される前も、まるで自分自身を欺くように代表争いは気にせずに目の前の試合に集中すると話していました。内心ではもちろんメダルを狙ってプレーしていると思いますが、そこを意識せずにまずは自分のゴルフに集中しようという気持ちが表れたコメントだと思います。
2021年に入ってから国内で5勝を挙げている稲見選手。ショット、パットとも好調で、上位陣にしっかりとついて行っていますから、メダル獲得への期待が高まります。
一方の畑岡奈紗選手。稲見選手同様1アンダーからのスタートで、前半はショットとパットが嚙み合いませんが、悪いながらもスコアを作ってくるのが畑岡選手の強みです。5番のパー5でボギーを先行させますが、7番から3連続バーディとし前半を2アンダーで折り返します。ショットの不調をパットで補うようにパットの調子が上がっています。
正しいスウィングの感触を探りながらプレーを続けていた印象で、後半は尻上がりに調子を上げ、17番でバーディ。結局4バーディ1ボギーの68で終えました。トータル4アンダーは11位タイです。
終了後の会見で今日のプレーを振り返ると、短く設定されたパー4もある中でスコアを3つしか伸ばせなかった悔しさをにじませ、同組で首位に立ったネリー・コルダに自分の分のバーディも持っていかれた感じがしたと話していました。そして今ひとつ波に乗れなかったショットについては次のように述べました。
「素振りの感覚はよくなっている。いざボールを打つときに力みが出ているのか自分が思ったところに始動で上げることができていないので、今いち気持ちよく振り切れていない」
明日は暑さ対策のためアウト・インに分けて7時30分からのスタートに変更となり、最終日の土曜日は台風の影響を考慮して6時30分からスタートを計画しているとアナウンスがありました。メダルをかけた日本勢のプレーを、明日も引き続き応援します。
撮影/服部謙二郎