東京オリンピック男子ゴルフが終わったと思ったらトッププロたちはアメリカにトンボ帰り。テネシー開催のWGCフェデックスセントジュード招待に出場している。7月から8月にかけ舞台はアメリカからヨーロッパ、そして日本へと過酷な旅が続くなか選手たちからは「きつすぎる」「もうクタクタ」と悲鳴が上がっている。

WGCフェデックスセントジュード招待には松山英樹をはじめ東京五輪で戦った選手のうち19名が出場している。そのなかのひとりジャスティン・トーマスは記者たちの質問を受けながら閉じそうになる目を必死に開けようと最善を尽くしているように見えた。

14時間の時差の影響で満足に眠れず「昨夜は8時半に寝たと思ったら11時半に起きてしまった。電気を消す気力もなかったから付けっ放しだった。寝たり起きたりと繰り返したけれど全然疲れがとれない。疲れ果てている」とトーマスはぐったりと頭を抱える仕草を見せた。

画像: 先月開催のスコティッシュオープンから全英オープン、東京五輪、そして今週はWGCフェデックスセントジュード招待と、世界を飛び回りながら戦うジャスティン・トーマス。先月の総移動距離は2万3587マイルにも及んだという

先月開催のスコティッシュオープンから全英オープン、東京五輪、そして今週はWGCフェデックスセントジュード招待と、世界を飛び回りながら戦うジャスティン・トーマス。先月の総移動距離は2万3587マイルにも及んだという

単純に日本を往復しただけならこうはならなかっただろう。しかし彼は7月4日に自宅のある米フロリダからスコティッシュオープンに出場するためエジンバラに渡り、その翌週には全英オープンの開催地イングランドに移動。試合が終わると一旦フロリダの自宅に戻り、フロリダから東京へ。体感気温40度の霞ヶ関CCで4日間、文字通り熱き戦いを終えた足でWGCが行われるテネシー州メンフィスに飛び試合に挑んでる。

「先月移動した距離はまぁ、ちょっとはあったよ」とその間2万3587マイルの旅程表をSNSに投稿したトーマス。

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すると全英オープン覇者のコリン・モリカワが「ジャスティンの投稿で我々がどれだけ旅をしているのか改めて気づかされた。はっきりいってすごい距離だね」と応答。モリカワもスコティッシュオープン、全英オープン、東京五輪、WGCと同じ行程をたどっていただけに大いに共感を覚えたようだ。

「これが我々の仕事だし大好きなことを仕事にできている喜びがある。でもこれだけ旅が続くと正直体はきつい」とモリカワ。それでも「いつもならアジアを往復すると死ぬほど疲れるけれど今回は気持ちが張っているせいか大丈夫。きっとここ(WGC)に勝ちに来ているからだね」。

オリンピックでは銅メダルを掛けた7人でのプレーオフに進出したが破れ松山らとともに4位で終戦した。しかし目下世界ランク1位のジョン・ラームが今週試合を欠場しているため、もしWGCで勝てばプロデビューわずか2年2カ月でナンバー1に上りつめる可能性もある。実現すればタイガー・ウッズの290日に続く史上2番目の最速世界ランク1位だ。

ところで32歳になりベテランの域に達してきたロリー・マキロイのコメントはトーマスやモリカワとはひと味違う。欧州から日本、そしてアメリカと同じ旅程を経験してきたが「13年もこういう生活(旅から旅へ)をしているからもう慣れたよ。時差ボケは確かにきついけれど、疲れを残さずに1日を終われれば大丈夫」。

2週間後にはプレーオフシリーズに突入するPGAツアー。選手たちにとって過酷な夏の陣はまだまだ続く。

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