「予習」も大事だが「復習」はより重要
「ラウンド後は『5番ホールでOBに打ち込んだのが痛かったな』というように、スコアを崩した原因を覚えているもの。そのときのシチュエーションやライ、使用クラブを思い出し、その番手を練習することで練習効率も上がりますし、上達につながると思うんです」(新井、以下同)
たしかに、プロの試合会場などでは、ラウンド後に黙々とボールを打ってその日見つけた課題を潰し、次の日のラウンドに備えるプロたちの姿が見られる。それはアマチュアにとっても有効だというわけだ。では、プレー後はどのような練習をするのが良いのだろうか?
「コースでミスするのはシュチュエーションによっていつも通りアドレスができていないことが多いんです。なので、まずはアドレスを見直してみることがオススメ。ターゲット方向にアライメントスティックを合わせたりして、自分がきちんとスクェアに構えられているかを確認してみるといいですね」
たとえば、コースで右OBに打ち込んだとする。右OBに打ち込んだんだから、軌道がインサイドすぎたのかな、インパクトでフェースが開き過ぎだったのかなとゴルファーは考えがちだが、単にティーイングエリアが右を向いているだけとか、左の池をいやがって無意識に右を向いて構えていただけという可能性もある。
それに気づかなければ次のラウンドでも繰り返す可能性がある。ラウンド後の練習はそういった経験値を養うこともできるわけだ。ラウンドでミスをして、次の週末練習に行く、というパターンだと、そもそもどんなミスをしたかを忘れてしまうし、ミスした状況が細かく思い出せないことで原因の分析も対策も行いにくい。
「ゴルフに限らず、現状把握した上で課題を見つけ解決策を考えることの繰り替えしで上達することができますよね。なので、練習したことをコースでテストしたときに把握できる『ミスした問題』を鮮明に覚えているラウンド後は課題を見つけやすく、対策もとりやすいというわけなんです。もちろん日頃からの"予習"も大事ですが、テスト後の"復習"の必要性も知っていて欲しいなと思いますね」
ゴルフだけでなく勉強や仕事も反省だけでなくしっかりと復習することが結果につながるものだ。そしてそれは早ければ早いほうがいい。ラウンド後はさっさと帰宅しておいしいビールにありつきたいものだが、その気持ちをグッとこらえて“ひとカゴ”だけでも練習してみてはいかがだろうか?