エピックマックスファストは軽量化し振りやすさに特化
先日発売されたばかりのキャロウェイ「エピックマックスファスト」シリーズはフェアウェイウッド(以下FW)もラインナップ。エピックマックスをベースにさらに軽量化し振りやすさが向上したモデルとなっている。
AIが設計したカップフェースを採用している点や、エネルギーロスを軽減したわみを最大化するためにブレード状の2本の柱「ジェイルブレイクAIベロシティブレード」が搭載されている点はエピックマックスのFWと同様だが、やはり注目すべきはその重量。3番ウッドで約286グラムと、エピックマックスの同番手より約24グラムもの軽量化がなされている。
ではその性能はいかほどか、さっそくプロゴルファー・中村修と堀口宜篤の両名に試打してたしかめてもらおう。まずはエピックマックスファストFWの見た目の印象から両者に聞いた。
「投影面積が大きく、かつフェースがかなり薄めの設計ですね。構えてみるとかなりシャロー形状で、ボールも見やすいです。ボールを上げてくれそうな感じといい、アドレスした際の安心感がかなりありますよ」(堀口)
中村も「重心がだいぶ低くなっている印象で、構えたときにシャフトよりもフェース面が前面に少し出っ張っているので球を拾ってくれる感覚がありますね。フェースが薄いぶん当たりどころもボールの赤道下くらいで、しっかり高さが出そうです」と評価。加えてソールに配された2つのウェートについても触れた。
「ウェートはソール前方・後方にひとつずつ配置。これはベースとなったエピックマックス、そしてエピックマックスファストも同様ですが、重量の組み合わせが前者がフロント14グラム・バック2グラムなのに対し、後者はフロント5グラム・バック2グラムなんですよね。もちろん軽量化の一環でもあるでしょうが、フロントの重量を削減することで重心をより深くしつつも、バック側の重量は変えないことでスウィング中にお尻が下がり過ぎないような工夫もされていますね」(中村)
ではロフト15度の3番ウッドを試打した両者のデータを見てみよう。なお、試打は純正シャフト「スピーダーエボリューションforキャロウェイ」のSフレックスと組み合わせて行った。
【堀口のエピックマックスファストFW(15度)の試打結果】
HS43.1m/s キャリー210Y トータル226.5Y 打ち出し角13.2度 ボール初速60.6m/s スピン量3737回転
【中村のエピックマックスファストFW(15度)の試打結果】
HS42.2m/s キャリー205.5Y トータル221Y 打ち出し角13.1度 ボール初速59.2m/s スピン量3734回転
「シャキッとした弾き感はありながらも打った感触は非常に柔らかいです。純正シャフトは走ってくれますがグニャッと来るような頼りなさはなく、軽さもあってヘッドスピードを勝手に上げてくれますね」(堀口)
中村は「ドライバーと同様しっかりつかまえてくれてドロー系の弾道が打ちやすいです」と評価。
「また、軽く振ってもヘッドスピードが上がるので力まなくても距離が出ますね。ボールの高さもしっかり出ていて、3番に関しては球の強さが印象的でした」(中村)
このあと両者にはロフト18度の5番、21度の7番も試打してもらったが、「ロフトが寝た影響もありますが、強い球が打てる3番といったイメージに対し、5・7番はかなり高さを出しやすいイメージです。とくに7番はかなり良かったですね」と堀口。
「21度というロフトだと、7番ウッドとユーティリティの選択ですよね。普段僕は後者をバッグに入れるタイプなのですが、エピックマックスファストの7番ウッドはかなり楽にボールを上げて飛距離も出せるうえ、コントロールもしやすかったのでかなり好感触でした。意外と真っすぐ構えやすくてフェースも見えて安心感があります」(堀口)
全番手を試打した両者は「FWでボールの高さが出ない方にはかなりオススメ」と意見が一致。一方で「フェースの薄さは好みが分かれそうです」と中村。
「フェース面が薄めかつヘッドがシャロー形状なので、上から打ち込むように打つタイプのゴルファーとの相性はあまり良くないかもしれません。とくにボールが少し芝の上に浮いている状況で打ち込んでしまうとテンプラ気味なヒットになってしまう危険性があるので注意です」(中村)
相性の良し悪しはあるが、振り抜きやすさやボールの上がりやすさ、つかまり性能に関してはプロ2人が太鼓判を押したエピックマックスファストFW。該当する性能に魅力を感じたなら、まずは試打して自身のスウィングとの相性をたしかめてみてはいかがだろう。