日本勢7名が参戦
初日のカーヌスティGLは気温14度と寒さはあったものの風は穏やかでした。そのせいもあってアンダーパーは40名とまだリンクスコースの難しさは顔を出してはいなかったようです。注目の7名の日本勢は、笹生優花、畑岡奈紗、渋野日向子の3選手がアンダーパーグループで初日を終えています。
まずは笹生優花選手は、飛距離やパワーは言わずもがなですが、全米女子オープン以降米女子ツアーに出場していることもありアプローチのスキルがめきめき上達しています。グリーン奥からのチップインイーグルもありましたが、フェアフェイからでもラフからでも、エッジに近いピン位置でも見事に寄せていましたし、ポットバンカーからも上手に寄せていました。パットもしっかりと決め1イーグル3バーディ1ボギーと前週のスコティッシュ女子オープンに出場した経験を早速生かした上々のスタートでした。
畑岡奈紗選手は、「テンポに気をつけている」とインタビューでは話していましたが、アイアンショットのキレが戻ってきていて、メジャー最終戦に向けてしっかりと調整してきたことがプレーに表れていました。
18ホール中15ホールでパーオンしていましたし、3バーディ1ボギーの危なげないプレーで2アンダーで終えました。1日2アンダーずつ伸ばして行ったらチャンスがあると試合が始まる前に自分で設定していたといい、それをしっかりとクリアして来るあたりは、明日以降上位に進出して来ることは間違いなさそうです。
そして渋野日向子選手ですが、2019年当時のような何が出てくるのか目が離せない、見ていて楽しいプレーぶりが戻って来ました。出だしのホールでチップインバーディを奪うと11番の短いパー4でも50ヤードの2打目をチップインイーグルでスコアを伸ばします。上がり2ホールをボギーとしましたが1イーグル3バーディ3ボギーのトータル2アンダーで畑岡選手と並び11位タイで終えています。会見では今日のプレーをラッキーがあったと振り返りました。
「いろいろラッキーが続いたことでこのスコアで上がれたのはよかったが、18番の3パットは悔しかった。グリーン周りのアプローチもパーが取りやすいところに寄せられたのでそこはよかった」
10番ホールのフェアウェイ左のバンカーから6UTで打ちあごに当て深いラフにつかまりましたが3打目をピタリとピンに寄せパーてしのぐなど、ドライバーを曲げたホールでもしっかりとパーセーブできていましたし、パー5の3打目をしっかり寄せてバーディを奪うなどアプローチとパットの成長を感じさせる内容でした。
古江彩佳、青木瀬令奈、原英莉花の3選手、そしてアマチュアの梶谷翼選手はオーバーパーでのスタート。
現地のキャディを伴う古江彩佳選手は、3バーディ5ボギーの2オーバー(90位タイ)で終えましたが、「ショットが悪かった中でバンカーにも入った割にはまだよかったかなと思います」と話しショットを調整し明日以降の巻き返しを誓いました。
最終18番でクリークに入れてダブルボギーとし、3オーバーで終えた青木瀬令奈選手は、「持ち味のドライバーが曲がり、風がない中でスコアを伸ばせなかったのは残念」と話しましたが、キャディを務める大西翔太コーチとラウンド後には手ごたえを感じている様子でしたので明日のプレーが楽しみです。
同じく3オーバーの原英莉花選手は、出だしの3連続ボギーからパー5でしっかりバーディを奪いますがアプローチとパットに苦しみ耐えながらのラウンドになりました。「海外メジャーに挑戦して一度も予選通過ができていないので、そこをまずはクリアしたいと挑んできました。明日天候が荒れても自分らしく落ち着いてプレーしたい」と話しました。
アマチュアの梶谷翼選手は、後半に3連続バーディで盛り返すも4バーディ6ボギー1ダブルボギーの4オーバーで終えています。
明日は午後に向けて風が強くなる予報が出ています。65位タイまでの予選通過のカットラインは現時点で1オーバー。2018年にカーヌスティで開催された全英オープンを現地取材した際にも感じましたが、15番からの上がり4ホールは風が強くなるととくに難しくなります。しかし、最終ホールの最後のパットまで気を抜かずにプレーすれば、多くの日本勢が予選を通過し、上位進出できるチャンスはあると思います。寝不足の週末になるのを覚悟して応援しましょう。