3代目「P790」の性能は!?
テーラーメイドが新たに発表した「P790」アイアン2021年モデル。2017年発売の初代、そして2019年には2代目と2年おきにリニューアルをしてきたP790も、今回が3代目となる。
中空構造を採用しながらシャープな見た目も両立した“やさしく飛ばせるアイアン”という設計思想は不変だが、代を重ねるごとにその性能が洗練されてきたP790、果たして最新モデルではどのような仕上がりになっているのか。さっそくプロゴルファー・堀口宜篤に7番アイアンを試打してたしかめてもらおう。
まずは見た目からチェックする堀口。「2019年モデルのP790はミラー仕上げでシャイニーな印象でしたが、2021年モデルはマットなシルバーで、コスメ的な部分でもよりカッコ良くなりましたね」と第一印象を語る。
一方で、バックフェースの形状自体は細かい変更点があるにせよ「構えた見た目は、旧モデルの形状をほぼ踏襲しているように見受けられます」という。
「基本的にブレードタイプのアイアンのようなシャープな印象ですが、マッスルバックよりトップブレードにちょっと厚みがあるぶんやさしさも感じられて、構えたときに扱うのが難しいモデルには見えないですよね。かといってグースの度合いを強めたやさし過ぎる形かと言えばそんなこともなくて、軽くオフセットが入っているくらいでフェースもほぼストレートに見え、非常に構えやすいです」（堀口、以下同）
テーラーメイド「P790」アイアン（写真は6番）
では実際に堀口が試打した際のデータの平均値を見てみよう。
【堀口のP790アイアン（7番）の試打結果】
HS37.7m/s キャリー162Y トータル170Y 打ち出し角18.3度 ボール初速50.3m/s スピン量5143回転
外観では「旧モデルから大幅に変わった部分はないように感じた」という堀口だが、実際に打ってみると「とくに打感がかなり変わっている印象です」と語る。
「旧モデルは弾き感が少し強めで“中空らしい打感だな”という印象でしたが、2021年モデルに関してはヘッド内部の充填剤の進化のおかげか、打ったときにヘッド内部が詰まっている感触があり、打感はかなり柔らかめですね」
もちろん打感の良さという面ではマッスルバックに軍配が上がるものの「それに近しいレベルまで打ったときの心地良さが高められています。少なくとも中空らしからぬフィーリングであることはたしかですね」と堀口。飛距離性能についても7番で170ヤードと、「ロフトの印象以上に飛んでくれて、さらに高さも出ていますね」という。
「やさしさという面で言うなら、とくに右へのミスへの強さを感じましたね。打ったときの感触で『あぁミスだな』と思っても飛距離も出るし曲がらないんです。試しに意識的にカット軌道で打ってみても、スピンは増えても球の高さや飛距離面はロスせずに、右へ逃げず耐えてくれましたね」
見た目はある程度シャープに保ちつつ、飛びとやさしさがさらに進化したP790。堀口は「かなり幅広いゴルファーにオススメできる1本と言えそうです」と話す。
「とくにシャープなブレードタイプのモデルを使ってみたいけど、少し難しそうだなとなかなか手を伸ばせないゴルファーにとって、P790はとてもオススメ。中・上級者はもちろん、カーボンシャフトと組み合わせれば、見た目にこだわりがあるけど最近飛距離が落ちてきてマッスルバックだとちょっと……というシニアの方にも合いそうです。どの層のゴルファーにとっても、やさしく飛ばせるという意味で間違いなくアイアンショットはラクになりますよ」
