8月26日から4日間の日程で開催される「ニトリレディストーナメント」。プロゴルファー・中村修が注目するのは双子の姉妹でプロテストに同時合格した岩井明愛・千怜。似て非なる二人のスウィングを解説。

今年プロ合格! 今週プロ2戦目に挑む

アマチュア時代から姉妹揃って名を馳せた姉・明愛(あきえ)選手と妹・千怜(ちさと)選手の岩井姉妹。2020年の日本女子オープンでは姉妹揃って予選を通過し、姉の明愛選手がが14位タイのローアマに、妹・千怜選手は40位タイで終えています。そして2021年に開催されたプロテストで二人そろって狭き門をくぐって合格しています。

4月末の「パナソニックオープンレディース」で彼女たちを間近に見て、プロテスト合格はもとより近い将来ツアーを盛り上げる存在になると感じました。明愛選手は全体の3位を記録する252ヤードの飛距離を持ち合わせ、優勝した上田桃子選手と1打差の3位タイでフィニッシュしていましたし、千怜選手は惜しくも予選落ちでしたが初日は4アンダー5位タイでスタートしていました。

画像: ニトリレディスに出場する双子の姉妹で妹の岩井千怜(左)と姉・明愛(右)(写真は2021年の大東建託・いい部屋ネットレディス 写真/有原裕晶)

ニトリレディスに出場する双子の姉妹で妹の岩井千怜(左)と姉・明愛(右)(写真は2021年の大東建託・いい部屋ネットレディス 写真/有原裕晶)

二人は見た目そっくりですがプレースタイルは異なります。明愛選手は飛距離を生かして攻めるスタイルですが、千怜選手はパー5は刻んで3打目勝負というスタイル。パナソニックオープンの初日を終えたインタビューで千怜選手は性格も真逆だと話しました。

「性格は真逆で、お姉ちゃんの明愛は、良い意味での大雑把というか、考えすぎずにすぐできてしまうタイプ。私は自分が納得するまで考えて練習して実践するタイプです。明愛のプレーを見てると、パー5のセカンドを常に狙ってくるイメージがあって、考えすぎずに打ってるのが良いのかなとは思って見てますね」

スウィングを見てみるとやはりよく似てはいますが、細部は異なります。画像はパナソニックオープンで撮影したもので、画像左の妹・千怜選手はFW、画像右の姉・明愛選手はドライバーのスウィングを比較したものです。細かく見ていきましょう。

まずは画像A。二人ともリラックスしたバランスいいアドレスで構えています。体格などはさすが双子、そっくりですね。

画像: 画像A 妹・千怜(左)と姉・明愛(右)はどちらもリラックスしたバランスの取れたアドレスで構える(写真は2021年のパナソニックオープンレディース)

画像A 妹・千怜(左)と姉・明愛(右)はどちらもリラックスしたバランスの取れたアドレスで構える(写真は2021年のパナソニックオープンレディース)

画像Bでは体と腕の運動量が同調したテークバックからしっかりと背中をターゲットに向け深いトップの位置が取れています。左の千怜選手はパー5の2打目のショットでしたが、グリップを短く握って方向性を確保しながらのショット。狭い花道からグリーンエッジまで運ぶナイスショットでした。

二人ともトップでのフェースの向きはスクェアからややシャットになるくらいで帽子のつばの向きやトップの位置など非常によく似ていますね。

画像: 画像B 試合の緊張感の中でも二人とも背中をターゲットに向けた深いトップの位置を取る、トップでのフェースの向きや帽子のつばの向きもそっくり(写真は2021年のパナソニックオープンレディース)

画像B 試合の緊張感の中でも二人とも背中をターゲットに向けた深いトップの位置を取る、トップでのフェースの向きや帽子のつばの向きもそっくり(写真は2021年のパナソニックオープンレディース)

画像Cのインパクトではどうでしょうか。左の妹・千怜選手と右の姉・明愛選手の左サイドを見比べてみると少しだけ明愛選手の左腕が体から離れていることが見て取れます。飛距離の出る選手に多く見られる動きですが、ダウンで近づいた左腕を体幹を使ってしっかりと押し戻す動きが入ることで飛距離に結びつけています。

画像: 画像C 妹・千怜(左)より姉・明愛(右)は左手の甲をターゲットに向けながら左腕を体感を使って押し戻す動きが強いことで飛距離に結びつけている(写真は2021年のパナソニックオープンレディース)

画像C 妹・千怜(左)より姉・明愛(右)は左手の甲をターゲットに向けながら左腕を体感を使って押し戻す動きが強いことで飛距離に結びつけている(写真は2021年のパナソニックオープンレディース)

プレースタイルの異なる二人ですが、それぞれポテンシャルは高くツアーのセッティングや移動、芝の違いなどを吸収しながら大きく成長している真っ最中でしょう。「大東建託練・いい部屋ネットレディス」に続きプロ2戦目になる二人のプレーに注目してみます。

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