メタルウッドでドラコン! 果たして何ヤード飛ばせる?
ユージ:ドライバーの進化の流れのなかで、パーシモンの次に流行ったのがメタルヘッドですよね。1988年に使われだしたということは、1987年生まれの私と豊永さんの後輩にあたります。
豊永:あ、そうですね(笑)。
ユージ:33年前はこんなに小さいので打っていたんですね。
小井戸:ヘッドがボールより小さいですよ。
ユージ:本当だ、構えてみるとフェースが小さいからボールが飛び出ているもんね。
豊永:今回用意していただいたモデルは、テーラーメイドの「オリジナルワン」。同名のミニドライバーが2019年に発売されていますが、そのもととなった名器ですね。
ユージ:そうなんですか。でもロフト12度って書いてあるけど、けっこう寝ています。
豊永:ロフトや大きさからして、今の3番ウッドに近い感じですかね。
ユージ:今回はこのメタルヘッドのドライバーで飛距離比べをやるわけですが、以前パーシモンドライバーで飛距離対決をした際の記録が小井土さんが321ヤード、豊永さんが332ヤード、僕が294ヤードです。パーシモンでの記録は超えていきたいですよね。
小井土・豊永:やりましょう!
一番打者はユージ! パーシモンでの記録は超えられる?
――こうして3名による「メタルドラコン選手権」が開催。通常のドラコン競技と同様に3名がそれぞれ6発ずつ打ち、飛距離を測定した。まず一番打者となったのはユージだ。
小井土:構えた感じは、どうですか?
ユージ:感覚的にはアイアンに近いし、見た目はUTにも近いけど、でもアイアンとしてもUTとしても重く感じますね。さっそく打ってみます!
【ユージの結果】(☆印が最高記録)
1:飛距離255.8ヤード
2:飛距離251.9ヤード
3:飛距離232.2ヤード
4:飛距離293.0ヤード(☆)
5:飛距離271.9ヤード
6:飛距離159.6ヤード
豊永:293ヤード! パーシモンで打ったときの結果に近いですね。打ってみてどうですか?
ユージ:ヘッドの重さがあるので、スウィング中にヘッドがどこにあるか把握しやすいですね。打った感じは、芯を外すと手元が痛いです。そこはマッスルバックアイアンでミスヒットした時に近いかな。スピン量が大体2060回転とかなので、球を上げるのが難しいのかな~。でもスライスは出なかったですね。
小井土:パーシモンと比べてどうですか?
ユージ:当たった感じはパーシモンのほうが軽かったですね。メタルは重いし鈍い感触で、僕はパーシモンのほうが好きかな。正直、打ちやすくはなかったです。
小井土プロもメタルウッドに苦戦!?
――続いて挑戦したのは小井土プロ。記録は以下の通りだ。
【小井土プロの結果】(☆印が最高記録)
1:飛距離294.8ヤード(☆)
2:飛距離282.4ヤード
3:飛距離291.3ヤード
4:飛距離241.4ヤード
5:飛距離284.6ヤード
6:飛距離233.4ヤード
小井土:重くて振りづらく、ロフト角が12度なのに球が上がる気がしないですね。
ユージ:ですよね! 打ち出しが低~い感じ。
小井土:ちゃんとつかまりはするから飛ぶはずなんですけどね。300ヤード行かなかったですね。
ユージ:でもスピン量はかなり少なめ。最後の6発目なんか、キャリー160ヤードでランが73ヤードですよ! こんな数字見たことないよ(笑)。
小井土:難しかったです。僕もユージさんと一緒でパーシモンのほうが好きです。シャフトがスチールということもあって、しっかりしてて重い感じがして、振りづらかったですね。
豊永プロは何ヤード飛ばした?
――最後に挑戦するのは豊永プロ。パーシモンでは332ヤード飛ばしたが、メタルウッドではどうか。結果は以下のようになった。
【豊永プロの結果】(☆印が最高記録)
1:飛距離303.6ヤード
2:飛距離314.3ヤード
3:飛距離335.6ヤード
4:飛距離335.4ヤード
5:飛距離344.2ヤード(☆)
6:飛距離223.9ヤード
ユージ:344.2ヤード! ということで今回のメタルドラコン選手権のチャンピオンは、パーシモンに続き豊永さんでした。おめでとうございます!
小井土:おめでとうございます!
豊永:ありがとうございます!
ユージ:振った感じはどうでしたか?
豊永:容積が小さくヘッドが返りやすいので、その辺を左手でうまくコントロールしないといけないかなと思います。
ユージ:小さいぶん、フェースコントロールがシビアなわけですね。
豊永:スチールはタイミングが合うとシャフトが上手くしなってくれるので、あとは思い切って振るだけで飛距離が出ます。ただ、このしなりを出すためには、今のクラブのようにハンドファーストの形のまま打ちに行くのではなく、右ひじでタメていくと言う動きが必要になってきますね。
ユージ:豊永さんにはメタルドライバーは相性がいいみたいでしたが、小井土さんが合わなかったのは何でですかね?
豊永:メタルヘッドの重心位置がフェース寄りにあるので、小井土くんの打ち方や振るスピードに対してフェースが被り気味に入ってくるので、球が上がらなくて飛距離が伸びなかったんだと思います。
ユージ:小井土さんはハンドファーストにインパクトを捉える打ち方なので、これだとフェース側が重いからロフトが立ち過ぎて当たってしまうということですか。
小井土:ですね。今の最先端の打ち方は、30年前のクラブにはフィットしなかったわけです。
ユージ:でもそんな豊永さんも、最後の223.9ヤードは、どうしたんですか(笑)。
豊永:ヘッドが小さいから当たらないことを心配して、それまではマン振りではなかったので、最後だけは振ってみたんです。
ユージ:それまでは振ってなかったんだ。それも凄い!
豊永:そうしたら上から入ってスピンが入り過ぎてしまって。キャリーしてから5ヤード戻りましたからね(笑)。やっぱり難しいですね。
撮影:野村知也