ハーフウェイバックの姿勢からボールを打つだけ
みなさんこんにちは。ゴルフバカイラストレーターの野村タケオです。日本人として2021年のゴルフ界で一番のニュースと言えば松山英樹プロのマスターズ制覇じゃないでしょうか。男子プロの初メジャー制覇ってだけでもかなりのニュースですが、それがマスターズですから、もう本当に凄いことです。
松山プロをマスターズ優勝に導いたと言われているのが目澤秀憲コーチ。目澤コーチのコーチングメソッドは決して「プロ専用」ではなく、アマチュアにもプロと同じやり方で効果が出るというんです。週刊ゴルフダイジェスト8/24・31号にそんな目澤コーチのレッスン「目澤秀憲からのおくりもの」というレッスンが掲載されていました。そのなかから手打ちが解消されるというドリルを試してみることにしました。
スウィングの中で一番大事なのは「動きの連動性」だと目澤コーチは言っています。それを体感するのに最適なのがこれからやる「骨盤リードドリル」です。このドリルは松山プロもやっているそうなので、それを聞くだけでもテンション上がるし、効果がありそうな気がしてきます(笑)。
やり方は簡単で、手が胸の高さくらいまでのハーフウェイバックの姿勢を作って、そこからボールを打つだけ。ショートアイアンでやるのがいいそうです。
注意することは、スタートの姿勢ではコンパクトながら左肩を十分に回し、上体の捻転を右股関節でしっかり受け止める形を作ること。そしてそこから、最初に左の骨盤を動かすことをイメージしてスウィングします。左骨盤から動き出せれば、フォローまでは勝手に動きが連動すると目澤コーチは言っています。
さっそくやってみました。まずね、スタートの姿勢を作るのが体の硬い僕みたいなオッサンにはけっこうツライ(笑)。しっかりと胸が後方を向くくらいまでねじって、右股関節で受け止めるってのがけっこうしんどいんです。いかに普段のスウィングで楽してるかってことですよね。
そしてその状態からまず左骨盤を動かしてスウィングするのですが、これがまた難しいんです。反動をつけずにクラブを振り下ろすのがなかなかできない。キッカケがないというか。最初はどうしても手で振り下ろしたくなるのですが、そうすると上手くボールに当たりません。
上半身はグッと我慢して、とにかく左骨盤から動くようにすると、左腰が回転して、最後に腕がついてくるようなスウィングができます。クラブを後ろに置いたままにしておくような意識を持つと、少しうまく振れるようになってきました。下半身が動いて、胸が動いて、腕が引っ張られてきたら、最後に腕を振るという意識はあってもいいのかなと思います。
注意しなければいけないのは、スタートの姿勢でしっかりと体が捻転していなくて、クラブを手だけでヒョイッと上げたような状態だと、上半身が突っ込むようなスウィングになってしまうこと。
このドリルで実際に球を打つのですが、慣れてくれば9番アイアンを使って100ヤードくらいはアマチュアでも飛ばせるようになるそうです。でもね、最初はまったく飛びません……。っていうか、まともに打てないんですよ。さっきも書きましたが、上半身で振ってしまうとまともに打つことが出来ません。ボールに当てよう、飛距離を出そうとすればするほど、だんだん手や上半身の力に頼りだすので注意が必要です。
左骨盤から動き出し、下半身と上半身が上手く連動して振れるようになると、やっとボールをしっかりとらえられるようになってきました。それでも僕ではせいぜい80ヤードくらいしか飛ばせません。ちなみに目澤コーチも最初は10ヤードくらいしか飛ばなかったけど、今では130ヤードくらいは飛ばせるそうです。松山プロはいきなり150ヤード飛んだらしいです……。
このドリルを続けると、手打ちの矯正にもなるし、切り返しから上半身で打ちに行ってしまってカット打ちになっている人にも効果がありそうです。下半身や体感のトレーニングにもなりそうだし、このドリルで飛距離が伸びてくればドライバーの飛距離も伸びそう。テークバックを大きくしなくても飛距離は出せるんだということが分かったし、しっかりと上体が捻れていないと下半身リードのスウィングってできないんだな~ってことも分かりました。
ハーフスウィングのドリルってけっこう目にしますが、何を意識して、何のためにやっているのかってことを理解しながらやらないと意味がないんですよね。練習場ではただ球を打つだけではなく、こういうドリルを飽きずにコツコツできる人が上達するんだな~と思いました。