ゴルフって、やればやるほど窮屈になっていく。そんなふうに私は思います。
たとえば、テークバックで体が右に流れ過ぎてしまうゴルファーは”悪い動き”を制御していくように矯正ドリルを行いますよね。その結果、たしかにスウィングはキレイになります。
でも、そうやって悪い動きを制御することばかりに目を配っていると、「気持ちよくプレーする」「気持ちよく振り抜く」ということを忘れてしまいがちだと思うんです。
これは私のゴルフ仲間のAさんから聞いたエピソードで、あるプロアマ戦に参加し「これを入れたら優勝できるかも」という4メートルのパットが残ったときのこと。Aさんは同組のプロに「これでライン合っていますか?」と聞いたんだそうです。
すると、レギュラーツアーでも長く活躍したそのプロは、ラインのことには一切触れず「気持ちよくストロークすれば大丈夫ですよ!」と一言だけアドバイスしてくれたそうなんです。
私は、この話を聞いて「これこそ技術より大事なゴルフの原点だ!」と感動したんです。
たとえば、「カップ1個右を狙ってしっかり打ちましょう!」というアドバイスだとしたら、ただでさえ緊張しているのに、「しっかり打たなくちゃ」「カップ1個右を正確に狙わなくちゃ」と余計な意識が入り、手が動かなくなっちゃいます(笑)。
しかもそれで入らなかったらせっかくプロにアドバイスもらったのにって、自分を責めちゃいますよね。
「気持ちよくストロークすれば大丈夫ですよ!」は、本当にすごいアドバイスだと思うんです。私はこれをいつも自分に言い聞かせたいと思っています。
どんなゴルファーもゴルフを始めたばかりのころは余計なことを考えず、楽しみながら気持ちよくプレーしていたはずです。上達するために矯正ドリルを取り入れることは大事ですが、「気持ちよくプレーする」ことを忘れてしまうと、自分で自分を縛りすぎて、プレーにも余裕がなくなっちゃうと思うんです。
逆に、いつでも気持ちよくプレーするという気持ちを忘れないでいると、緊張した場面でも落ち着いてプレーできるかな~と私は思います!
※上山さんはアマチュアのためボランティアで協力していただきました