「コースは傾斜があることがほとんど。傾斜地からのフルショットはミスしやすいですから、コースでは『ほぼコントロールショット』をする必要があると僕は思います」
傾斜地以外でも、芝が薄かったり、あるいはラフにあったりと、ティイングエリア以外で平らなライにティアップ状態で打てるケースはコース上ではほとんどない。練習場感覚でいつでもフルショットを選択すると、それがミスの原因となりかねない。
とはいえ、急に「コントロールショットせよ」と言われても困るというのがアマチュアゴルファーの本音だ。関は「フルショットとコントロールショットは別物だと考えすぎないでください」と、このように解説する。
「フルショットするときは肩を90度しっかり回していくことが大事ですが、コントロールショットでもそれは同じです。たとえば、ハーフショットをするときに『フルショットの半分だから肩は45度くらい回せばいいのか?』と考えがちですが、それは誤解で手打ちの元。コントロールショットでも肩を90度回すのは、フルショットと同じなんです」
どちらも「肩を90度回す」のであればフルショットもコントロールショットも変わらないように思えるが腕の位置が異なる。「フルショットは肩を回した上で頭より遠くに腕を上げることで遠心力が使え、クラブの特性を最大限使えるようになります。それに対してハーフショットはミート率を高めることを優先した打ち方ですから、肩の位置まで腕を上げる意識で充分です」
肩を回す点はフルショットもコントロールショットも変わらないが、腕の運動量が大きく変わるようだ。では、具体的にどうやってコントロールショットを打つべきなのか?
「基本的には、打ちたい距離に対して1番手上のクラブを選択し、指2本分ほどクラブを短く持ったら、スタンスを1足分狭めに構えます。そうすることで、フルショットの意識が減り自然と振り幅もいつもより小さくなりますから。その上でテークバックで肩を90度しっかり回すことを意識して肩から肩の振り幅で打っていきましょう」
たとえば、140ヤードピッタリの距離を打つクラブが8番アイアンだけど、ボールは少し沈んでいて左足下がりと傾斜がついている状況。そんなときは7番アイアンを短く持ち、スタンスも狭してコントロールショットを打つ”準備"をするというわけだ。
とはいっても、コースでいきなり実践するのではなく練習を重ねることが重要だと関はいう。
「コントロールショットよりフルショットのほうが当たるというゴルファーは少なくありませんが、それは練習量が違うだけです。なので、練習場に行ったら30球、50球と球数を決めてフルショットだけでなく、コントロールショットの練習もしてほしいと思いますね。地味な練習かもしれませんが、スコアに直結するはずですから」
アイアンでのミスが多いゴルファーは、ぜひ参考にしてみよう!