中古クラブに詳しい通称“中古名器ハンター”が、数ある中古クラブの中から「これは!」というモデルを紹介する。今回注目したのは2014年に発売されたキャロウェイの画期的ドライバー!
ウェートを上下に入れ替えることで重心位置を動かすことができた
発売当時、「こんなドライバー見たことない!」と衝撃を受けたことを今も思い出す、キャロウェイのビッグバーサアルファはそんなドライバーでした。
ソールの真ん中に穴が開いていて、そこに柱状のウェートが入っているのですが、このウェートを上下に入れ替えることで重心位置を高くしたり低くしたりできるという画期的なコンセプト。
その後、ナイキのヴェイパーフレックス、タイトリストの917シリーズなども、棒状のウェートで重心を調整する機能を搭載しましたが、その走りといえるのが2014年発売のビッグバーサアルファでした。今思うと、ヘッドに複雑な機構を搭載する走りとも言えるかもしれません。
さてこのドライバー、ウェートを縦に入れるという画期的機能を搭載した結果、そこに重さをとられて重心が非常に浅いのが特徴でもありました。結果、操作性は高いものの寛容性はさほど高くなく、石川遼プロらが愛用したものの、市場ではそう高く評価されませんでした。
しかし、このドライバーは意外な副産物を生みます。ヘッド内部に縦に柱状の機構を加えることで、ヘッドの合成が高まることがわかったのです。そして、このドライバーの3年後に登場したのが、フェース近くに“2本の柱”を立てることでフェース周辺の剛性を高め、圧倒的飛距離性能を獲得したキャロウェイの名器「GBBエピック」です。
歴史的名器といえるGBBエピックの前身ともいえるビッグバーサアルファ。時代のあだ花的クラブではありますが、個人的には今も手元に残してある、記憶に残るクラブです。