技術の進歩によって年々性能が向上しているゴルフクラブ。それゆえに「一昔前の“クラブの常識”から情報がアップデートされず、間違ったスペック選びをしている方も中にはいます」というのは、業界屈指のギアオタクでクラブフィッターの小倉勇人。詳しく話を聞いてみよう。

昔のクラブの基本、常識を信じているとベストなクラブには出会えない

みなさんこんにちは、ギアオタク店長の小倉です。私はクラブフィッティングもやらせて頂いているのですが、ご年配の方はもちろん、意外と20代30代の方でも今ではほとんど当てはまらない“昔の常識”と呼ばれた情報を信じている方が多いのです。

例えば、Rシャフトは軟らかいから曲がるとか、10.5度はボールが上がり過ぎてしまうとかが多いですね。現代のRシャフトは、20~30年前とは比べ物にならないほど進化しており、完全に別物といってよいでしょう。前のシャフトはSだったけど今度のシャフトはRで同じぐらいのしなり具合や振り心地なんてことも普通にありえますし、その逆もありますから。また同じRフレックスでもモデルによって硬さや重さに結構な差があるので、シャフトを替える度にフレックスは見直す必要があります。

画像: 最新のRフレックスシャフトには、昔のモデルのような頼りなさはない。このように、技術が進歩した最新モデルには当てはまらない“昔のクラブの常識”があると小倉氏

最新のRフレックスシャフトには、昔のモデルのような頼りなさはない。このように、技術が進歩した最新モデルには当てはまらない“昔のクラブの常識”があると小倉氏

ロフト角も同じことが言えます。今でも一部のモデルには見られますが、昔のヘッドは、表記されているロフトと、実際のロフト=「リアルロフト」に差があることが多かったのです。例えば10.5度と表記されていてもリアルロフトは12度前後ある、といった感じですね。そのほうが、表記ロフトよりボールが上がるため”やさしい”と評価されやすかったのです。

しかし今ではシャフトを固定する角度をかえることでロフトを調整できる弾道調整機能が誕生したり、ロフト以上にボールを高く打ち出せる技術が発達したりと表記ロフトとリアルロフトに差をつける理由がなくなりつつあります。そのため、現在では表記ロフトとリアルロフトに差のあるクラブはかなり少なくなってきています。最新のヘッドは、スピン量が少なく抑えられているモデルが多いので適正なロフトより小さめのスペックを選んでしまうとスピンが足りずにドロップしてしまう可能性があります。

なかなかすべてのクラブを試打して買うことは難しいですが、カタログ情報だけでスペックを決めてしまうのはちょっと怖いところがあります。もしちょっとでも気になるクラブの打てる機会があるなら是が非でも試打しておくことをお勧めします!

This article is a sponsored article by
''.