飛ばしだけでなく、正確性も同時に争う「アキュラシードラコン」。その公式大会に出場し、見事優勝したプロゴルファー・南出仁寛(みなみで・きみひろ)に、知られざるその競技の魅力と、一般ゴルファーのラウンドにも通じるコツを聞いた。

6球のうち3球の平均で競う

「通常のドラコンは、6球を2分30秒で打って、グリッド(計測エリア)内に入った最長飛距離を競うものですが、JPDA(日本プロドラコン協会)のアキュラシードラコン、正式名称は『アキュラシードライブ』と言いますが、その場合、グリッド内に入った3球の平均飛距離で競います。つまり、300ヤードに2発入った選手ではなく、280ヤードが3発入った選手が勝つんです」

南出といえば過去に10度の日本王者に輝いたドラコン界の有名人で、最長飛距離は400ヤードを超える。ただ、アキュラシードライブの場合はただ飛べばいいというわけでないのがポイントのようだ。

実際、南出が参戦した試合の成績を見ると、南出の記録は337ヤード、325ヤード、318ヤードで平均327ヤード。354ヤード、340ヤードと南出の最長距離よりさらに飛ばしている選手もいるが、計測エリアに2球しか入っていないため成績が出ていない。

画像: 飛距離と正確性を競う「アキュラシードライブ」で優勝した南出仁寛(写真提供/南出仁寛)

飛距離と正確性を競う「アキュラシードライブ」で優勝した南出仁寛(写真提供/南出仁寛)

南出は、このように1発の飛びを競うのではなく、飛距離と正確性を競うアキュラシードライブは「通常のラウンドにも通用する部分がある」という。

「通常のドラコンでは腕も体も目一杯に使いますが、アキュラシードライブの場合、お腹と下半身に力を入れて振ることをイメージして、腕には力を入れません。つねに体の前に腕がある意識で振ることで、飛距離と正確性を保った球を打ちやすくなるんです」

腕を高く上げたり、体を止めてヘッドを走らせたり、ローテーションを入れてボールをつかまえたり……腕を使えば飛距離は伸ばかもしれないが、その分だけ曲がるリスクも増える。飛距離と正確性を両立させるため、使用するドライバーも46.25インチと通常のドラコン競技より1.25インチ短くしている。

また、南出によれば、アキュラシードライブでは「より風向きやフェアウェイの傾斜といった要素を考える」という。風を読み、自分の球筋と飛距離ならフェアウェイのどこに落とせば安全に遠くに運べるかを考える。このあたりの戦略はアマチュアゴルファーも大いに参考になりそうだ。

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