ブライソン・デシャンボーの台頭などもあり、男子ゴルフの世界では飛距離アップが成績に直結している感があるが、国内女子ツアーの場合「むしろパーオン率など、ショットの正確性が大事な傾向があるように思います」とプロゴルファー・石井忍は言う。そんななか、データをひもとくと一人の選手のブレークが予想されるというのだが……詳しく聞いてみよう!

「最近の女子ツアーを見ると、飛距離よりもパーオン率など正確なショット力が重視される傾向があるように思います」というのは、女子プロ指導歴も多いプロゴルファーの石井忍。

実際、ドライビングディスタンスの上位10名と、パーオン率の上位10名の今シーズンの勝利数を比べてみると、ドライビングディスタンス上位10名は4勝、パーオン率上位10名は14勝と如実に違いがある。

パーオン率上位10名の顔ぶれをみると、1位は初優勝に何度も手をかけている高橋彩華。目下賞金女王争いを繰り広げている稲見萌寧は2位、小祝さくらは7位にいる。飛ばすだけでなく、正確なショットでピンに絡めてバーディを奪う総合的なショット力が女子ツアーでは求められるということだろう。

画像: パーオン率が75.1029と3位にランクインしている植竹希望

パーオン率が75.1029と3位にランクインしている植竹希望

そして、そんなツアーの傾向のなかで石井が「次にブレイクしそうな選手」として名前を挙げたのが、いまだツアー未勝利の植竹希望だ。

「ボールストライキングという指標があります。パーオン率の順位と、ドライバー平均飛距離とフェアウェイキープ率の順位の和であるトータルドライビングの和で表される、ショットの総合力を示す指標ですが、植竹選手はそのランキングで稲見萌寧選手と並んで1位なんです。つまり、ショット力は稲見選手級。ツアー最高レベルということです」

稲見萌寧はパーオン率が2位で、トータルドライビングが4位。それに対して植竹はパーオン率、トータルドライビングともに3位。 順位もすごいし、実際にパーオン率75.1029、ドライビングディスタンス242.97(21位)、フェアウェイキープ率74.1342(15位)と数字も見事なものがある。

石井いわく「あとはパットが入れば初優勝は遠くない」とのこと。稲見萌寧は2021年に6勝を挙げ、東京オリンピックでは銀メダルに輝くなど一気に大ブレークを果たしたが、ショット力ではその稲見に遜色がないのが植竹。

2020年から長く続いたシーズンも、秋の深まりとともにクライマックスへと向かっていく。そんななか、植竹希望がどんなプレーを見せてくれるのか、注目だ。

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