「レギュラーツアーの試合中継は1~2時間で終わることが多く、プレー以外を見ることはほぼありません。それに対しAbemaTVツアーはネットで何時間も放送されるためプレー以外の人となりを見ることができるます。たとえば、バーディをとったときにカメラに向かってパフォーマンスを見せてくれたり、選手同士の会話も見える。プレーだけでない選手の魅力を発見することができて、ファンになるというケースは多いと思います」(石井忍、以下同)
2018年からAbemaTVが特別スポンサーとなり「JGTOチャレンジツアー」から「AbemaTVツアー」へ名称が変更となったJGTOが主催する下部ツアー。長いときは10 時間も放送することもあり、プレー以外の一面が見えるところが一番の魅力だと石井。また、AbemaTVのアプリをダウンロードしておけば外出先でスマホひとつで中継を見ることができる「気軽さもメリット」だ。
さらに石井は「戦っているのが若手だけではないところもAbemaTVツアーならでは」という。
「下部ツアーというと次の世代の選手たちがレベルアップを目指して戦うことが多いですが、AbemaTVツアーは若い世代だけでなく、ベテランがもう1度上を目指す戦場でもあります。たとえば海老根文博(えびね・ふみひろ)選手は1975年生まれの46歳ですが、現在の賞金ランクは18位。20位以内に入るとレギュラーツアーへ昇格できるシステムですから、可能性は十分にあります。若い世代だけでなくベテランがもう1回上を目指すという構図も面白いところです」
とはいえ、やはり次世代のスター候補を見つけられることは最大の魅力と言えそうだ。たとえば賞金ランク1位で2勝を挙げている久常涼(ひさつね・りょう)は「レギュラーツアーでも活躍する技量を持っている」という。
「昔は下部ツアーからレギュラーツアーに上がっても活躍することは難しいと言われていましたが、今は賞金ランク1位の久常選手を始めとし、レギュラーツアーでも活躍できる選手は増えていると思います。というのも、以前に比べて3日間の試合が増えていて、よりレギュラーツアーに近い環境で戦えている影響が大きい。そして、全試合中継が入ることにより、カメラ慣れをしてきていることも、AbemaTVツアーとレギュラーツアーの壁を低くしていると思います。そのふたつは試合をする上で大きな影響を与えているはずですからね」
AbemaTVツアーで上位の成績を収めてレギュラーツアーへと主戦場を移すことは選手のなかで「卒業」と呼ばれているようだが、卒業があるなら入学も存在する。石井のなかで今後活躍が期待できる選手はズバリどの選手か教えてもらった。
「僕は岩﨑亜久竜(いわさき・あぐり)選手がこれからどんどん活躍してくるのではと予想しています。ドライバーもそこそこ飛びますし、なによりパッティングが凄く上手い選手。攻めていくプレースタイルでしぶといゴルフをするため、見ていてワクワクしますし、面白い。みなさんにも注目してもらいたい選手のひとりですね」
もちろんほかにもイキのいい若手たち、もう一花を期すベテランたちはたくさんいるから、自分の“推しプロ”を探すのも大きな楽しみとなるだろう。明日15日に開幕するAbemaTVツアー「PGM Challenge」はAbemaTVにて最終ホールアウトまで完全生放送予定。「見たことない」という人は、一度チェックしてみてはいかがか。