屋外でプレーするゴルフでは、自然現象も大切な要素のひとつ。とくに強風は厄介で、風向きによって飛距離が増減したり球が狙いどころからズレてしまったりと、打球結果に大きな影響を及ぼしてしまう。
プロの世界であれば風の影響を受けづらいように低く打ち出すなど、弾道をコントロールしてショットする場合もあるが、120切りを目指すゴルファーにとってはとてもマネできない高難易度の技。
「とくにビギナーの場合は強風によってボールが受ける影響を技術でどうにかするよりも前に、そもそもスウィング中の動き自体が風によって狂わされる危険がある、ということを知っておきましょう」と兼濱は言う。
「強風によって体があおられると、人間は無意識にその力に対して抵抗することでバランスを取ろうとします。するといつものスウィングにはない余計な力が入ることでアドレスやスウィング中の姿勢が崩れてしまいまい、結果としてミスショットにつながってしまうんです」(兼濱、以下同)
風によって生じる姿勢の崩れは「風が吹いてきた方向」によって変わると兼濱。
「たとえば向かい風=アゲンストならば飛球線方向から吹く風に抵抗するために自分から見て左側へ動こうとする力が普段より多く入ってしまい、突っ込みの原因になります。逆に追い風=フォローであれば右サイドに体重が残りやすくなってしまいますね」
体の正面側、背中側から吹く風についても同様。前者ならば前傾し過ぎ、後者なら体の起き上がりにつながってしまうわけだ。
「ボールだけでなく、スウィング中の姿勢は強風の影響を受ける。これを知識として頭の中に入れておくだけでも、風が強い日のミスショットの原因を解明するきっかけのひとつになりますよ。この記事で説明したような状況に陥ったら、まずは素振りしてみて体が傾いていないかを確認してみてください」
受ける風の影響に応じてスウィングを変える、といったことはしないほうが無難。風の強い日にショットがいつも以上に定まらないと感じたら、素振りでセルフチェックして、まずはニュートラルな状態で打つことを目指すのが、スコアを守るための第一歩なのだ。