エッグスプーンブラックと初代エッグスプーンはどう違う?
プロギアから新たに発表されたニューモデル「エッグスプーンブラック」は、2008年発売の初代エッグスプーンのヘッド形状をオマージュしつつ、最新技術によってよりやさしく飛ばせるよう進化したモデルとなっている。
では具体的に、打ち心地や飛距離性能はどのように変化したのか。プロゴルファー・中村修と堀口宜篤に、エッグスプーンブラックと初代エッグスプーンを打ち比べてたしかめてもらおう。
2021年でも見劣りしない飛びを見せた初代エッグスプーン
まずは初代エッグスプーンから。クラウン後部を削ぎ落とし平坦にすることでヘッドの低重心化を図った革新的な設計のモデル。当時は男子プロの片山晋呉や谷原秀人らもバッグインしていた高い飛距離性能を持つぶっ飛びフェアウェイウッドだが、両者が改めて打つとどのような結果が出るだろうか。さっそく見てみよう。
【堀口の初代エッグスプーン(15度)の試打結果】
HS43.6m/s キャリー207Y トータル222.7Y 打ち出し角12.7度 ボール初速61m/s スピン量4288回転
【中村の初代エッグスプーン(15度)の試打結果】
HS44.5m/s キャリー208Y トータル227Y 打ち出し角14.9度 ボール初速57.7m/s スピン量2654回転
10年以上前のクラブとはいえ、「今でもしっかり飛ばせるだけの性能はある」と両者口をそろえるが、一方でネックになる可能性として挙げたのがフィーリング面だ。
「とにかく打球音がキーンと高く響きます。久しぶりに打つと驚きますね。音から想像できる通り、弾き感も強いです。まさに中空ウッドで打っていると言った感じの音です」(堀口)
ただ、打ち出し角度はしっかりと出ており、初速も早く、キャリーも出ている。発売当時から賛否両論分かれた打球音はさておき、飛び性能に関しては元祖ぶっとびスプーンの面目躍如という結果となった。
さらに飛距離性能が上がりフィーリングも向上したエッグスプーンブラック
続いてはエッグスプーンブラック。初代エッグスプーンのヘッド形状をオマージュしたという触れ込み通り「構えた見た目に大きな差はないですね。シャローなんだけどフェースはめちゃくちゃストレートに見えます」と堀口。
「ただ、見た目は似ていても新しい技術は多く採り入れられていますね。たとえばソールにタングステンウェートを埋め込むなんて当時はありませんでしたし、フェース下部でのヒットに強くなるソール前面のスリットも初代にはない部分ですね」(中村)
【堀口のエッグスプーンブラック(15度)の試打結果】
HS44.7m/s キャリー234Y トータル245Y 打ち出し角9.5度 ボール初速64.8m/s スピン量2714回転
【中村のエッグスプーンブラック(15度)の試打結果】
HS44.3m/s キャリー221Y トータル237Y 打ち出し角10.4度 ボール初速64.2m/s スピン量3505回転
「データを見ると、僕の場合トータル飛距離が約20ヤードも伸びていますね。飛距離的にはミニドライバー並みと言って良いのではないでしょうか。改めて打ち比べてみて約13年でここまで飛距離性能は進化したんだなぁという驚きがまずありました。つかまりに関してもエッグスプーンブラックが勝っていますね。同じヘッド形状を採用したモデルですが、性能は確実に上がっていますよ」(堀口)
そして両者がまったくと言って良いほど変わったというのが打音だ。
「音が明らかに全然違いますね。弾きの強かった初代と比べて柔らかめに感じますし、潰れるような音も交じっています。球も強いしミスヒットにも強いですね。飛距離性能、寛容性ともに向上していると言えるでしょう」(中村)
「飛ぶんだけど、音がなあ」という口コミが多かった初代エッグスプーンから13年。当時、音に尻込みしたゴルファーも、今回は安心して手に取れそう。初代を知っているゴルファーほど、13年分の進化を実感できるクラブかもしれない。