「インパクトで大きな声を出すと飛ぶ」。こういったワンポイントアドバイスを耳にしたことのあるゴルファーは少なくないだろう。今回の検証では、まったく声を出さない、弱々しい声を長めに出す、力強い声を短く出す、の全3パターンを打ち結果を比較することで、この説が本当に正しいのかをたしかめることに。
「やる前に俺の予想を言うと『インパクトで大きな声を出すと本当に飛ぶ』、これは本当です。理由は、テニス選手なんかがボールを打つときに、ハァン! と大きな声を出しますよね。これは単なる気合いだけじゃなく、何か力が発揮できるから声を出しているはずなんです。そうじゃなきゃ、あんな声出しませんよ」(武市、以下同)
逆に武市が「一番飛ばない」と予想したのは、弱々しい声を長めに出すパターンだ。では結果はどうなったか。まず、声をまったく出さずに打って計測すると、飛距離は266.9ヤード。「まあ、声を出さないようにすると自然に気張らないスウィングになるので、ポーンと打つ感じになるので飛距離はこんなもんでしょう」と武市。
では次に武市がもっとも飛ばないケースと予想する「アァ~ン」という弱々しい声を長めに出したときはどうだろう。
「結果は249.2ヤード。ほらね、飛距離がだいぶ落ちましたよね。これは2つの要因が重なって飛距離が落ちるんです。理由の1つはお腹から力が抜けてしまう発声の仕方になってしまうので力を込められないという点。そして、ボクがやったみたいな『アァ~ン』と伸ばす発声はインパクトのかなり前の段階から声を発しているので、やはりインパクトで力が抜けてしまうわけです。だから、こういう声の出し方は絶対に飛びません」
最後に武市が「コレは絶対に飛ぶと予想する」インパクト瞬間に「ワッ!」と短く力を込める出し方で打ってみた。すると結果は285.5ヤード。
「いやぁ、予想通りの結果が出ましたね。では、どうして声出しによってこんなに飛距離が伸びたのかを解説しますね。まず声の出し方ですが『ワッ』とか『ハッ』という声の出し方は、お腹に力が入るので、これは飛びます。そして、インパクトの瞬間に声を出すことも大事ですね。それまで余分な力が入っていない状態から、インパクトで一気に力を込められるのでパワーを爆発させることができます。これが飛距離を生む声の出し方です」
武市の検証により「打つときに大きな声を出すと飛ぶ」という仮説は正しかったということが立証された。しかし、ゴルフ場で大声を出すと下手をすればと退場を言い渡されることにもなりかねない。そこで武市に声を出さずにこの『声出し効果』を得られる方法はないかを聞いたところ、良い方法を教えてくれた。
「声を出さずに声出しの効果を得る方法は『呼吸法』です。まずバックスウィングのときに息を鼻から吸います。そして打つ瞬間に短く速く『フッ!』とボールに息を吹きかけます。そうすることで腕の余分な力が抜けた状態でダウンスウィングに入り、インパクトの瞬間にはお腹に力が入りヘッドスピードが上がる飛ぶスウィングができるわけです」
実はこの呼吸法は、武市がゴルフの指導をしているホリエモンこと堀江貴文さんに教えたテクニックだという。
「堀江さんは狭いホールに来たときに体が硬直して思うようなスウィングができないそうで『こういうときにどうしたらいいのか』と聞かれたのでこの呼吸法を教えたんです。そうしたらあの人、『ウワァ~これは凄ぇ!』って。自身のYouTubeチャンネル『ホリエモンチャンネル』で紹介するほどこの打ち方にハマったみたいです。みなさんも是非、試してみて下さい」
声出しは飛ぶのかの検証から派生して教えてもらえたホリエモンもゾッコンの呼吸法。ぜひ試してみよう。
協力/広尾ゴルフインパクト