基本的には晴れの日より難易度アップ。でも飛ぶけど大曲がりするゴルファーはスコア更新のチャンスかも!?
天候にパフォーマンスが左右されるのもゴルフの醍醐味のひとつだが、とくに難易度が大きく変わるのが雨の日のゴルフ。そもそも雨が降ることでコースの状態はどう変わるのか。兼濱はこう説明する。
「まず芝が水分を含むことでスウィング中のクラブヘッドやボールの転がりに対する抵抗が増します。するとショットでランが出づらくなり飛距離が落ちてしまいます。また、晴れの日であれば芝が立っていてボールはその上に乗っている=地面からわずかに浮いている状態ですが、雨が降ると寝てしまい、ボールと地面との距離が近くなりダフリやすい状態でもあります」(兼濱、以下同)
ラフに関しても晴れの日より重くなり抵抗が増し、バンカーの砂も水分を含んで固くなり脱出が困難に。グリーン上でも晴れの日よりボールが転がりづらくなるという。
ただでさえ雨が降るとコースの難易度が跳ね上がってしまうのに加えて「きちんとフェースの水分を拭き取ってから打たないとスピンがかかりづらくなってしまいますし、そもそも単純に疲れやすくなります」と兼濱。
「また、注意したいのがアイアンのヘッド形状です。ソールが厚くてハイバウンスないわゆる“やさしい”アイアンは、ソールが滑らない雨の日に限ってはよりダフリやすいクラブと言えます。ともすれば上級者の使うブレードタイプのアイアンより難易度が高い可能性があるので注意です」
ベストスコア更新のためには、もちろん事前に天気予報などをチェックし雨の日を避けるのがベストだが、当日急に天気が崩れて……なんてことも十分起こり得る。そんなときはベストスコア更新を目指すよりも「割り切って自分の技術面を客観視する機会にすると良いでしょう」と兼濱は言う。
「普段人工芝マットで練習していると『多少ダフっていてもナイスショットになっている』なんてことも多いです。雨の日はその部分がよりシビアになりダフリかダフリでないかが明確に表れますから、急な雨の日は自分の打点が本当に正しいのかをチェックする機会にしてみると上達につながりますよ」
ただしゴルファーのミスの傾向によっては「雨の日のほうがむしろベストスコアが出る、なんて方もいます」と兼濱。
「もちろん印象に残りやすい、というのもありますが実際にそういった話はよく聞きます。とくに初心者だけどある程度飛距離が出る方は、いつもより飛ばないことでOBの頻度が減って意外と良いスコアにまとまりやすいですね。また、ボールが転がりづらくなっているので、とくにアプローチが苦手という方は普段よりグリーンで止まりやすいので上手く寄せられる、なんてことが起こりやすいですよ」
いずれにせよ、大切なのは雨によってどうコースに変化が起きるのかを知っておくこと。雨の日ゴルフでは兼濱の教えてくれたことを思い出してみよう。