1個124円のコストコボールの性能は?
コストコのプライベートブランドのゴルフボール「カークランド・パフォーマンスプラス」は、なんと2ダース24個で2980円。一個当たり約124円という激安が人気のこのボール、果たして性能面ではどうなのだろう。
「以前から打って見たいと思っていました」という武市が、まずは独自のやり方でフィーリングをチェック。まずは2個のボールをこすり合わせはじめる武市。
「ボールの打感チェックするときに、僕が最初にやるのは2個ボールをこすり合わせることなんですよ。これで何がわかるかというと表面のカバーの食い付き度ですね。このボールはどんな具合かなというと、キュッ! キュッ! という音がして、いかにも食い付きが良さそうな感じがしますね」(武市、以下同)
そして次に行うのはリフティングだ。
「これは音とかボールの跳ね返りなどで、打感の軟らかさがわかります。これも、軟らかい感触を受けましたね。いいんじゃないすか!」
最後にフェースの上でボール回しはじめた武市。
「リフティングが終わったらフェースの上でボールを止めてからクルクル回してみるんです。コレで分かるのは操作性の良さですね。球がブレずにクルクルとうまく回れば、コアの偏りなどがなく操作性が良いということ。うん、これもまずまず良いですね」
この3つのチェックを終えた段階で、ある程度ボールの性能がわかるという。
「違いが一番わかりやすいのはリフティングなんですが、カークランドのほうがいつも打っている自分のボールよりも少し柔らかいと感じましたね。う~む、この段階でこのカークランドのボールの性質を判断するに、この柔らかい感触からするとヘッドスピードが遅い人向きなんじゃないかなと思いますね。さて、この見立てが合っているかどうか、ではいよいよ、試打をしていきましょう。僕は試打は8番アイアンで打ちます。理由は8番なら当たる気がするからです(笑)」
ということでまず8番アイアンで、武市の普段使うボールとカークランドを打ち比べてみると、前者が168ヤード、後者が158ヤード。飛距離差10ヤード、ぴったり1番手ぶんの違いが出る結果に。
「やっぱり想像通りの結果が出ましたね。カークランドは多分コア(芯)の部分の素材が柔らかいんですよ。だから速いヘッドスピードで打った場合、インパクトのときに衝撃でボールが潰れ過ぎてしまい、エネルギーが減衰してしまうので距離がロスするのかなと思いますね。ただ言っておきたいのは、この値段にしてはコントロール性能もスピン性能も良いです。間違いなくコスパは高い。恐るべし、コストコですね」
続いて、ロング番手の5番アイアンでも打ち比べてみよう。
【5番アイアンでの試打結果】
・マイボール:1打目192ヤード 2打目200ヤード
・カークランド:1打目193ヤード 2打目182ヤード
1打目ではショートアイアンと結果が逆転し、わずかながらカークランドのほうが飛距離が出る結果に。これを受けて武市は「やはりカークランドはヘッドスピードが遅い人向きのボールですね」と話す。
「何回か打つうちに、僕のスウィングもカークランドの性質に慣れてきたので、1打目はドライバー換算ヘッドスピ―ド43~44m/sくらいで振ったら193ヤード。2打目は同じく47m/sくらいで振ったらやっぱりボールが潰れて飛距離をロスした形で182ヤードという結果です。つまり、このボールは43m/sくらいのヘッドスピードで打てば安定した距離を出せます」
ちなみにカークランドで40ヤードのアプローチも打ってもらったが「う~ん。スピンが解けるのがちょっと早いですね。マイボールに比べるとちょっと喰い付きが弱いかな。打ち出し直後にちょっと球が浮いてしまう感じがあります」と評価。
では今回の検証を受けて、武市のカークランド・パフォーマンスプラスの評価を聞いてみよう。
「検証結果としては、このボールはヘッドスピード42~43m/sくらいの人に合うボールだと思います。で、僕は雨が降った日のラウンドに使いたいなって思いましたね。雨の日は高いボールは使いたくないじゃないですか。でもニューボールを打ちたいな、なんてときにはこのカークランドはピッタシ。雨だとヘッドスピードも落ちるから、逆にボールのパフォーマンスも引き出せますしね。しかし、一個120円にしてこのクオリティは凄いですよ。コストコさん偉い!」
協力/広尾ゴルフインパクト