男子ツアー「ANAオープン」の最終日、石川遼の5番ウッドが木に当たって折れるということがあった。技術に優れるプロゴルファーでも起こるこのような思わぬクラブの破損はどうすれば防げるか? ゴルフトレンドウォッチャー・コヤマカズヒロが考えた。

ドライバーを杖代わりに。車内に放置。そんなことからも「破損」は起こる

ANAオープンの最終日、石川遼は名物パー5の17番ホールでティショットを右サイドの木の後ろに打ってしまい、セカンドを5番ウッドで打ったところクラブが木に当たって折れてしまった。ホールアウト後の石川は、クラブが折れたショックもあってか憔悴していたという。

画像: 石川遼はANAオープンでクラブを破損。

石川遼はANAオープンでクラブを破損。

インパクトで大変な衝撃がかかるゴルフクラブだが、フェースの中心、いわゆる芯の部分でボールを打つ以外の衝撃には意外と脆いものだ。強靭なシャフトも石川のように木に打ちつけてしまっては驚くほど弱い。これはカーボンシャフトのみならず、スチールもシャフト側面への衝撃には弱く折れやすい。

木の幹部分に当たると折れやすいのはもちろんだが、意外と盲点なのが木の根っこだ。林の中に入ると、樹木は大きく根をはっているが木の葉などで見えにくい場合が多い。そのまま打つと、ボールの下がすぐ木の根だったりすると、クラブのネック部分が破損したり、手首を痛めてしまうケースが多い。

薄肉で作られた現代のドライバーヘッドも意外と脆い面がある。メーカーでは何千発という耐久テストを行い、フェースセンターだけでなく、かなり芯を外して強打するテストを行っているが、現実の使用状況では思わぬ衝撃があるようで、破損するケースがすくなくない。

ヘッドの破損で多いのは、フェース割れだ。現代のウッドは反発性能の高い薄肉のフェース素材をボディ部に溶接して作ることが多い。その溶接部は強いのだが、その周辺からピリピリと割れが生まれるケースがある。オフセンターへの強打や地面に当たるなどの想定外の衝撃が、強靭なフェースに割れを発生させるようだ。頻度は少ないが、フェースが溶接されたアイアンでも同様の割れが起こることがある。

画像: ドライバーは何千発もの耐久テストが行われるが、それでも破損は起こる

ドライバーは何千発もの耐久テストが行われるが、それでも破損は起こる

ウッド類は、特にヒールよりの打点に弱い。当たり方が悪いと、フェース割れだけでなくネックからシャフトが折れてしまう場合も少なくない。ネック付近のシャフトは細く、ドライバーを杖代わりに使ったら、そこから折れてしまったというケースがあるので注意したい。

頻度は高くないが、最近のヘッドにあるトラブルがクラブン部のカーボン部分が、パカッと取れてしまうケースだ。カーボンクラウンは金属製のボディ部に接着剤でくっつけてあるのだが、車内の暑さや衝撃などで外れてしまうのだ。

保証や保険が適用できる場合もあるので、万が一のアクシデントの際はうまく活用したいところ。しかし、まずは大切なゴルフクラブを大事に扱いたいところだ。結果論になるが、優勝争いとは関係のない局面、石川遼は無理をしなくても良かったのではないかと思う。

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