男子ツアー「パナソニックオープン」は中島啓太(日体大3年)がツアー史上5人目のアマチュア優勝を果たし、幕を閉じた。中島はどんな選手か?”石川遼の先生”としても知られる恩師・代々木高校ゴルフ部監督の吉岡徹治氏に話を聞いた。

「手に汗を握って中継を見ていました。プレーオフのパーパットが決まったときは12年越しの悲願だったので、涙がでてきましたね」と喜びを語るのは代々木高校ゴルフ部監督の吉岡徹治氏。

画像: ツアー史上5人目のアマチュア優勝を果たした中島啓太(写真は2021年の日本ゴルフツアー選手権森ビルカップ 撮影/岡沢裕行)

ツアー史上5人目のアマチュア優勝を果たした中島啓太(写真は2021年の日本ゴルフツアー選手権森ビルカップ 撮影/岡沢裕行)

「我が子のように育ててきた」という中島と吉岡氏の出会いは15年ほど前。中島が小学3年生のときのことだ。

「彼のお母さんに連れられて僕のキャンプに来たのがきっかけ。僕のキャンプ(ジュニアゴルフクラブチームマジック)では今大会で単独3位だった大岩(龍一)くんたちに交じってマッチプレー対決をしたりして、先輩たちに育ててもらったから今の啓太がいると思います」(吉岡)

高校生になってプロの試合に出るようになると、会場で吉岡氏の杉並高校ゴルフ部監督時代の教え子でもある石川遼の練習を見て学ぶなど「多くの人に育ててもらった」のが中島啓太だと吉岡氏。

画像: 中島は小学生のころから先輩たちに交じり遊びながらゴルフを覚えていったという(写真提供/吉岡徹治)

中島は小学生のころから先輩たちに交じり遊びながらゴルフを覚えていったという(写真提供/吉岡徹治)

そんな中島は吉岡氏から見てどんな選手か尋ねると「遼と同じで本当にゴルフが好きだよね」という。

「誰よりもゴルフが大好きで、練習グリーンに行くと5時間も帰ってこないとお母さんも言っていました。宿舎で啓太の部屋を訪ねると必ずパターを持って出てきたり、ホテルの廊下でパター練習していたりというように、常にゴルフと向き合ってきた選手です」

「好きこそ物の上手なれ」という言葉は好きになると一生懸命になり、自分なりに勉強や工夫をして自然と上達するという意味。まさに中島は好きだからこそ「自分と向き合って鍛練を重ねて(アマ優勝を)つかみ取ったのではないか」(吉岡)というわけだ。

画像: 練習グリーンに行くといつまでも黙々と練習を続けていたという(写真提供/吉岡徹治)

練習グリーンに行くといつまでも黙々と練習を続けていたという(写真提供/吉岡徹治)

またそんな中島の強みについては「メタ認知力に優れている点」と吉岡氏。

「メタ認知力というのは自分を客観的に認知する能力のことで、自らの考えなどを客観的に認知する能力。そんなメタ認知力が啓太は優れていると思います。ゴルフのような個人スポーツは自分自身で冷静に判断することと、ゴルフが好きなことが上達につながりますから、その二つを持ち合わせている啓太はこれからもっと成長していくのではないかと思っています」

今大会の優勝でプロ転向が可能になるが、中島は来年の海外メジャー全米オープン、全英オープンにアマチュアとして出場資格があることもあり、プロ転向は早くて来年の11月以降と予想される。

「これからも先輩たちの背中をみて、また後輩に背中をみせながら成長していくのが楽しみですね」と吉岡氏。今後はどのような活躍を見せてくれるか世界を見据える中島啓太から目が離せなさそうだ。

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