グラファイトデザインからリリースされた新シャフト「ツアーAD UB」。プロゴルファー・中村修がメディア発表会からレポート。

グラファイトデザインから2022年モデルの「ツアーAD UB」が発売されました。クセがなくプロの間でも長く使われている「ツアーAD PT」や松山英樹選手が使用した「ツアーAD DI」などが有名ですが、今作はその「DI」に似た性格を持たせながらも大型ヘッドに対応すべく素材を選び、それを最適な位置に搭載したといいます。

画像: グラファイトデザイン「ツアーAD UB」は「DI」に似たキックポイントと剛性分布ながら先中から先端にかけて強度を増しクセがなく叩いてもブレないモデルに仕上がったという

グラファイトデザイン「ツアーAD UB」は「DI」に似たキックポイントと剛性分布ながら先中から先端にかけて強度を増しクセがなく叩いてもブレないモデルに仕上がったという

開発に携わった原口鉄也プロによると、「飛ぶシャフトはクセが強く自分のタイミングで打てないものが多い。UBはそういうクセをなくして飛ばせる、安定して扱いやすい、叩いてもスピン量が増えないシャフト」とのこと。期待が高まります。

ツアー担当で自身もトップアマの高橋雅也さんは、「キックポイントや合成分布は『DI』に似ていますが、先端から先中部に高弾性の素材を採用することで、先端部分の動きをおさえ叩いても中弾道でスピン量の増えない性格に仕上がっています」と説明してくれましたが、先端の動きを抑えるというのは最近の高慣性モーメントヘッドにマッチするシャフトのトレンドです。

コースでは、ホールによって、風によって、スコア状況によってなど、さまざまな要因から方向性を重視したりしっかり振って飛距離を求めたりとスウィングの強度は変わるものです。そう考えるとコースで“使える”シャフトとは、一発の飛びを出せるというより、自分のタイミングで振りやすく安定感のあるものということになります。

そういう意味では「UB」はクセがなくニュートラルな性格でなので、ドローバイアスの効いたヘッドや、左に行きにくいといったヘッドの特性を生かしやすいモデルです。自分の体力に合わせてスペックを選べばコースで結果がついてくるシャフトと言えそうです。

さて、この日はツアー屈指の飛ばし屋である永野竜太郎プロがデモンストレーターとして参加していましたので、その数値をご紹介しましょう。

画像: インパクトのときの強さ、叩いても左に行きにくいので試合でも安心感がありそうだと永野竜太郎

インパクトのときの強さ、叩いても左に行きにくいので試合でも安心感がありそうだと永野竜太郎

弾道計測器フライトスコープに計測値は、ヘッドスピード54.3 m/s、スピン量2299rpm、ボール初速81.1 m/s、ミート率1.49、飛距離360.3ヤード。驚きの飛距離です。

普段は「ツアーAD IZ」の「70TX」を使用している永野プロですが、この日は「UB」の7Xを使用。ヘッドスピード50前後から54m/sまでの幅で打ちましたが、ヘッドスピードが上がってもスピン量が増えず、ヘッドスピードと初速の割合を示すミート率も上がっていました。

ということは、ヘッドがブレずに芯付近でボールをとらえたということ。クセがなくヘッドのブレを抑える「UB」の持つ性格通りの結果になりました。試合ではここまで振ることはないと言いますが、それにしてもすごい弾道でした。

画像: 普段は「ツアーAD IZ」の7TXを使用する永野竜太郎が「UB」の7Xをヘッドスピード54m/sで叩いてもスピン量は増えず、ミート率も高く、その飛距離は驚きの360ヤードを越えた(弾道計測器フライトスコープによる数値)

普段は「ツアーAD IZ」の7TXを使用する永野竜太郎が「UB」の7Xをヘッドスピード54m/sで叩いてもスピン量は増えず、ミート率も高く、その飛距離は驚きの360ヤードを越えた(弾道計測器フライトスコープによる数値)

「ツアーAD UB」は、ヘッドの特性を生かしながら弾道をコントロールし、ドラコンホールで力んでもフェアウェイをとらえるような結果をもたらしてくれる。そんなシャフトであるように見受けられました。

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