男子ツアー「ブリヂストンオープン」の初日、プロゴルファー・中村修が注目したのは幡地隆寛、久常涼、清水大成という若手飛ばし屋たちのペアリング。注目組のプレーをレポート!

93年生まれの27歳の幡地隆寛は188センチの恵まれた体形からドライビングディスタンス1位の313ヤードを飛ばします。幡地選手と同じ作陽高校出身で、AbemaTVツアー3勝を挙げて先週からレギュラーツアーに昇格した19歳の久常涼選手は175センチながら300ヤードを越える飛距離を持ちます。

そしてベースボールグリップで握る22歳の清水大成選手も296.22ヤード(ランク18位)とよく飛びます。注目の久常選手を見たかったこともあり、8時20分のインスタートからこの組について18ホールを歩きました。

画像: 「AbemaTVツアー3勝は伊達じゃない」注目の19歳・久常涼のプレーをプロが密着レポート

前週の「東海クラシック」では初日を首位でスタートし9位タイで終えた幡地選手ですが、ショットの調子が思わしくなく我慢のゴルフで1バーディ2ボギーの1オーバーで折り返します。飛ばしだけでなくアプローチやパターで耐えるところはシード圏内の賞金ランク38位に位置する選手の力を感じました。

しかし後半はショットを立て倒すことができずにズルズルとスコアを崩します。上がり2ホールをバーディとしたものの2バーディ4ボギー1ダブルボギーとし、トータル5オーバー96位タイと出遅れました。ティショットで2アイアンや3UTを多用してマネジメントしていましたが、2アイアンの飛距離は270ヤードくらい、3UTでも240から250ヤードくらい飛んでいましたのでそのポテンシャルは計り知れないものを感じさせてくれました。明日以降の巻き返しに期待します。

画像: ショットの不調から初日は5オーバー96位タイと出遅れた幡地隆寛(写真は2021年のブリヂストンオープン)

ショットの不調から初日は5オーバー96位タイと出遅れた幡地隆寛(写真は2021年のブリヂストンオープン)

久常選手を見るのは5月のゴルフパートナープロアマトーナメント以来ですが、それ以降にAbemaTVツアーで3勝を重ねたゴルフは大きな成長を感じさせました。ティショットの落とし場所を考えてフェアウェイウッドで刻んだり、短いホールでもドライバーを握ったりとメリハリのあるクラブ選択をしていました。

ドライバーでラフに外すことも多かったですが、アプローチやパットが非常に安定していました。て前半は2バーディノーボギー、後半は出だしの2ホールをボギーとつまづきますが上がりの9番パー5で248ヤードを4Wで2.5メートルにつけイーグルフィニッシュとし、トータル2アンダー27位タイで終えています。

画像: 9番パー5では残り248ヤードを4Wでこの距離に乗せてイーグルフィニッシュでトータル2アンダー27位タイで終えた久常涼(写真は2021年のブリヂストンオープン)

9番パー5では残り248ヤードを4Wでこの距離に乗せてイーグルフィニッシュでトータル2アンダー27位タイで終えた久常涼(写真は2021年のブリヂストンオープン)

レギュラーツアーのグリーンは硬く11.5フィートとスピードもあるので、ラフからのショットで少し苦労する場面も見られましたが、プレーを重ねる度に様々なことを学び吸収していることが感じられました。今回初めてキャディを務めた森本真祐プロキャディも「AbemaTVツアー3勝は伊達じゃないです。飛ばしだけじゃないプレーで今後が楽しみです」と太鼓判を押します。

最後に日大の1年生時に全日本学生を制し、この「ブリヂストンオープン」では3年連続のローアマを獲得している清水大成選手。左手の親指をシャフトから外して野球のバットと同じ10フィンガーで握るグリップが特徴ですが、これまた久常選手に引けを取らない飛距離の持ち主です。

前半はショットが暴れパットも決まらずにこらえきれずに3ボギーとスコアを落として折り返すと、後半は徐々にショット、パットともに息を吹き返し3バーディ1ボギーと2つスコアを戻しトータル1オーバーの66位タイで終えました。崩れていきそうになりながらも、ショットを修正してきたところは明日以降のプレーに期待が持てそうです。平均パット6位、バーディ率8位というスタッツからも攻撃的なプレーで積極的にバーディを狙うプレーが見られるのではないでしょうか。

画像: 前半のショットの不調を修正し後半スコアを戻しトータル1オーバー66位タイで終えた清水大成(写真は2021年のブリヂストンオープン)

前半のショットの不調を修正し後半スコアを戻しトータル1オーバー66位タイで終えた清水大成(写真は2021年のブリヂストンオープン)

男子ツアーも女子ツアーと同様に若い選手が続々と現れてきています。今季は女子ツアーを中心に取材していますが、久しぶりの男子ツアーの現地取材で改めて分厚いインパクトの音や衝撃、弾道の速さや高さに男子ならではの迫力を感じました。

とくに今日見た若手選手たちのドライバーショットはPGAツアーの選手たちのような高さの弾道で、遥か遠くに着弾していきました。本当によく飛んでいます。無観客試合となってしまい、この男子ツアーの迫力を肌で感じていただけないことが残念ですが、その迫力はテレビ中継からもきっと伝わると思います。

今大会の上位3名は10月21日からアコーディア・ゴルフ習志野CCで開催されるPGAツアー「ZOZOチャンピオンシップ」への出場資格が得られますから、選手たちも気合十分。最終日まで目が離せない展開になりそうです。

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