女子ツアー「スタンレーレディス」で勝利を掴んだ渋野日向子。そのクラブセッティングをトレンドウォッチャー・コヤマカズヒロが注目した。

スタンレーレディスでひさびさの優勝を果たした渋野日向子。大胆なスウィング改造が話題になった渋野だが、クラブセッティングは2019年のブレイク時とそれほど大きく変わっていない。

ドライバーは、「G410 PLUS」。2019年発売で、全英女子オープンなど数々の栄冠を勝ち取ったドライバーだ。昨年秋に発売された「G425」シリーズではなく、前作をそのまま使用している。

画像: ドライバーはPING「G410PLUS」を引き続き使用している(写真はスタンレーレディス 撮影/大澤進二)

ドライバーはPING「G410PLUS」を引き続き使用している(写真はスタンレーレディス 撮影/大澤進二)

「G425」シリーズのドライバーは、「MAX」、「LST」、「SFT」の3機種のラインナップで、渋野が使用する「PLUS」に相当する後継モデルがない。位置づけとしては「MAX」がそれにあたるのだが、性能面で比較すると大慣性モーメントを強調してミスヒットへの強さが特徴の「G425 MAX」に対して、渋野の使う「G410 PLUS」は見た目が少しスッキリに見えるほどで、やさしさもありつつ、振りやすさを備えたモデルだ。スイング改造の渦中ということもあるだろうが、現行の「G425」シリーズに渋野の求める性能を備えたモデルがなかったのかもしれない。

一方、3Wと7Wは現行モデルの「G425 MAX」を使用。4番、5番アイアン代わりの26度、30度ユーティリティも「G425ハイブリッド」だ。この一年、アマチュアにも非常に人気の高かったモデルを使用している。渋野なら4番や5番アイアンも難なく使えそうだが、あえてユーティリティを入れているのはより高さを求めているからだろう。とくに女子ツアーではこのあたりの番手で打つ距離のパー3が多いという事情もある。

画像: フェアウェイウッドは「G425 MAX」(写真はスタンレーレディス 撮影/大澤進二)

フェアウェイウッドは「G425 MAX」(写真はスタンレーレディス 撮影/大澤進二)

アイアンはアスリート向けアイアンのヒット作になった「i210」。ヒットしたのは性能面ももちろんだが、2019年の渋野の活躍も大いに影響しただろう。2018年秋に発売したモデルで、すでに3年が経過しているが、いまだに定番モデルのひとつとしてファンが多いアイアンだ。

よく知られているように、ピンは性能面で上回らないと次のモデルをリリースしないというポリシーを掲げている。「i210」が3年以上現行モデルとして活躍しているのは、それを上回るモデルが開発できていないという証左でもある。それだけ出来が良いアイアンなのだ。タイミング的には、そろそろモデルチェンジがあってもいい頃だが、どうだろうか。

ウェッジはピン「グライド3.0」というモデルを4本入れている。内訳は、46度、52度、54度、58度。渋野は「SS」(スタンダードソール)という形状を愛用している。スタンレーレディスでは、最終日の16番でチップインバーディ。ウェッジの距離が残る18番ホールの3打目では正確なショットを連発して、プレーオフを含め3つのバーディを奪った。どちらかと言うとショットメーカーの印象がある渋野が、100ヤード以内のショットで冴えを見せ、新境地を開いた感がある。

パターは、代名詞とも言えるピン「シグマ2 アンサー」だ。2年前は渋野の活躍で空前の人気となったモデルで、実際に手にした人も多いだろう。パッティングの上手さも渋野の強みだ。

画像: パター「シグマ2 アンサー」(写真はスタンレーレディス 撮影/大澤進二)

パター「シグマ2 アンサー」(写真はスタンレーレディス 撮影/大澤進二)

日本のプロとしては珍しく、14本のクラブが上から下まですべて契約先のピンのクラブを使っていて、同社への信頼を感じるセッティングだ。自分の気に入ったモデルを揃える選手にはこだわりを感じるが、この統一感は契約プロとしてのカッコよさを感じる。

ウッド3本、ユーティリティ2本、アイアン4本、ウェッジ4本の組み合わせで、アイアンの少なさに特徴があるものの、全体としてはオーソドックスで距離の打ちわけがしやすく、そのクラブの用途をはっきりさせたセッティングだ。この構成は一般的なアマチュアゴルファーも参考にできそうだ。

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