気温23度、風速2.6m/sと絶好の秋のゴルフ日和の中、初日のリーダーボードは単独首位に9アンダーで勝みなみ、7アンダーに古江彩佳、西村優菜、6アンダーに菅沼菜々、5アンダーに成田美寿々、上田桃子、渋野日向子、稲見萌寧、原英莉花と今季好調な選手が顔をそろえました。
前週の「スタンレーレディス」で約2年ぶりの優勝を果たした渋野日向子選手ですが、昨日の会見で2年ぶりの優勝の味はどんな味だったかと尋ねるとしばらく考え「カレーせんべいの味」と答えてくれました。「辛いようなしょっぱいような、とにかくおいしい味」ということのようです。
先週に引き続きショットは好調で、グリーンを外したのはわずかに2回、それもパーセーブしましたので5バーディノーボギーと危なげないプレーで5位タイにつけ上々のスタートを切りました。
ショット内容を振り返ると、ドライバーは振っていくホールと風向きやOBやバンカーがあるホールでは丁寧にフェアフェイに運ぶホールが分けられていて、メリハリがありました。
それに加えてショートアイアンの距離感の合わせ方、パー5の3打目のフェースに乗せるようなアプローチと、改めてスキのないゴルフになっていると感じました。ラウンド後の会見では「練習ラウンドよりも飛距離が落ちていた中で、よく合わせられた」と述べました。
そのあたりのプレーぶりはシン・ジエ選手のキャディを長く務める斎藤佑樹プロキャディの話からも伝わってきます。渋野選手のプレーについて、「ノーボギーでしたよね、ホントにゴルフが上手くなりましたね」と太鼓判を押します。
ここでいう上手くなったというのはゴルフというゲームの進め方が上手くなり、危なげないプレーでスコアを伸ばしたことです。今回キャディを務める選手の力を引きだすのが上手な”シュガー”こと佐藤賢和キャディとのタッグも良さそうです。
さて、同組のふたりのプレーもレポートしていきましょう。まず西郷真央選手は、出だしから4連続で3,4メートル以内のバーディチャンスを量産し2つのバーディを奪いますが、その後が続きませんでした。グリーンは2度しか外していませんので、今日は最後までパットに悩まされた1日でしたね。
ただ、ピン近くの傾斜を考慮しながらチャンスのエリアにつける精度、ラフからのショットでは安全なエリアを狙うなど、とてもクレバーでメリハリのあるプレーが見られました。2バーディ1ボギーの1アンダーで48位タイと少し出遅れましたが、明日以降パットが噛み合えばビッグスコアで巻き返しも十分可能です。
最後にシン・ジエ選手ですが、飛距離的には二人の若手に20から30ヤード置いて行かれるホールもありましたが、とにかく残り距離、ライ、風、ピン位置のジャッジを間違わない。そのためすべてのショットが想定内で、グリーンを外してもチップインでバーディも奪います。
100ヤード以内はカップインを狙うと話す通りにパー5の3打目では、ときには高い弾道で、ときにはスピンの効いた低い弾道でピンそばにピタリと寄せます。5バーディ1ボギーの4アンダー10位タイで終えていましたが、パットがもう少しという印象でしたので週末には優勝争いに加わってくることでしょう。
単独首位に立った勝みなみ選手は、最終ホールをチップインバーディで締め2位に2打差の9アンダー単独首位で終えました。トレーニングの成果でドライバーの飛距離が伸び、セカンドを短いクラブで打てるようになったことでバーディチャンスを量産できています。一時は上半身を鍛えすぎて距離感が合わなかったとのことですが、少しトレーニングの強度を落としたこと、筋力アップした体に慣れたことで距離感も戻ってきたとラウンド後の会見で話していました。シーズン2勝目に向け視界良好なようです。
古江彩佳選手は最終ホールでボギーとしますが7アンダーの2位タイと復調の兆しです。西村優菜選手も相変わらずの上手さで同じく2位タイ、5アンダー5位タイの稲見萌寧選手も調子を上げて来ています。
週末はかなりの混戦になると思いますので誰が勝つのかまったく予想できません。終盤戦に突入している女子ツアー、ますます注目です!