「スタイミー」とはゴルフ用語では、ボールとカップを結ぶ線上に障害物がある状態のこと。ティーショットは会心の当たりだったのに、2打目地点に行くと木が邪魔で打てないのに、無理して木に当ててしまい大叩きしてしまったという経験のあるアマチュアゴルファーも多いはず。
木が目の前にある「スタイミー」な状況でのショット。木に当たって打った地点よりティーイングエリア側に戻ることも、枝に当たって木の根っこにボールが落ちるのも避けたい……。どうしたらいいのか?
ショット前の心構えから対策が必要だとインストラクター・高久あずさはこのように話す。
「考え方としては無理しないことが大前提です。打ちたい方向に障害物があって、少しでも前に進みたい気持ちが強すぎると『木に当たらないように打たなきゃ』と自分自身にプレッシャーをかけすぎてしまいやすいもの。ですから、まずはグリーンを狙おうとしないこと。そして、90%以上の確率で木に当たらないクラブを選択できるように、いつもより厳しめのジャッジをするように心がけてほしいと思いますね」(高久)
ジャッジするうえで、とくに大切なのが「抜け道とクラブ選択」だ。
「木の上を越えるか、木の下を通すかによってクラブ選択が変わってきますが、これはボールの地点から木が近いか遠いかで判断してほしいと思います。たとえばピンまでの距離が150ヤード、木がボールから10ヤード以内にあるなら7番アイアンのハーフショットで木の下を通す。それ以上に離れていれば、木の上を狙うほうが簡単だと思いますよ」
しかし、木の上を狙うときは”選択したクラブの弾道の高さ”で越えられるのか? を判断することがポイントとなる。ピンまでの残り距離を打つクラブを選んでしまうと、木を越えられない可能性もあることから「2番手下の番手を選ぶといい」と高久。たとえば150ヤードを打つ時、7番アイアンを選ぶゴルファーであれば9番アイアンを選択するというわけだ。
また、同じくピンまで150ヤード、ボールがラフにあって木までの距離が50ヤード以内の場合は「フェアウェイウッドで低く出すことがオススメ」だと高久はいう。
「打ち方はアイアンのコントロールショットと変わりませんが、グリップのロゴが隠れるくらい短く握り、ボールを真ん中より少し右へセット。グリップが左太もも前にくるようにハンドファーストの状態で構え、100ヤードをキャリーさせるイメージで打っていきましょう。アイアンで打つとコントロールが難しく球が上って枝に当たってしまうなんてことも多いですが、ロフトが立っているフェアウェイウッドはその確率が下がると思いますよ」
ボール地点と木の距離で抜け道を判断。その上で90%の確率で木に当たらないクラブ選択をする。もちろんコースでいきなり試すのではなく、練習場でスタイミー対策をしておくとより成功率は高くなるはず。
木に邪魔されて、大叩きした経験があるというゴルファーは覚えておこう!