「ZOZOチャンピオンシップ」の2日目を終えて松山英樹がトータル8アンダーで単独首位に立った。大舞台に強いプレーの様子をプロゴルファー・中村修がレポート。

昨日は調子が今ひとつと口にしながらも6アンダー2位タイでフィニッシュ。ギャラリーの声援に後押しされたと終了後の会見で述べていました。東京オリンピックでもそうでしたが、大舞台に強い松山英樹という選手の底力を改めて見せてくれました。

画像: ZOZOチャンピオンシップの2日目を終え1打差で首位に立った松山英樹(写真は2021年のZOZOチャンピオンシップ 写真/姉崎正)

ZOZOチャンピオンシップの2日目を終え1打差で首位に立った松山英樹(写真は2021年のZOZOチャンピオンシップ 写真/姉崎正)

気温11度の冷たい雨と3.5m/sの北風が吹くコンディションの中、2日目がスタートしました。松山選手はいつも通り、パッティング練習で幾つかのドリルをこなし、そのあとドライビングレンジへ。スウィングの感覚と、寒さと雨に加え、レインウェアも着ていることでどれくらい飛距離に影響があるのかも確かめながら、丁寧に小さいクラブからドライバーまで球を打ちます。そしてアプローチ練習場に移動し、濡れたラフの感触を確かめ練習グリーンへと向かいました。

9時3分、インコース10番からのスタート。ドライバーでのティーショットは、昨日よりも20ヤード以上飛んでいないようでした。続く同組のザンダー・シャウフェレ、CT・パンはともに左の池に入れてしまい、シャウフェレ選手は3パットのダブルボギーのスタートとなりました、やはり雨と寒さの影響が大きいようです。松山選手は左のラフからピンの少し奥に乗せ2パットのパーでスタートします。前半はドライバーをラフ入れてもアイアンでしっかりとグリーンをとらえ、セカンドショットでグリーンを外してもアプローチで寄せてパーを積み重ねます。13番のパー3でピンそばにつけバーディが先行、17番で3パットのボギーを喫しますが、続く18番のパー5では見事に2オンしバーディを奪います。この2打目のFWで打ったショットは高さといい、落ち際といいすごくきれいな弾道で鳥肌が立ちました。

前半9ホールを1アンダーで折り返すと、後半は3番のパー3で少し奥からの6メートルくらいのパットを決めますが、この後は7番、8番と短いバーディチャンスにつけるも惜しくも入らずに1バーディノーボギーとし、合わせて2つスコアを伸ばし8アンダーの首位で2日目を終えています。

画像: ラフからでも確実にグリーンをとらえスコアを伸ばした(写真は2021年のZOZOチャンピオンシップ 写真/姉崎正)

ラフからでも確実にグリーンをとらえスコアを伸ばした(写真は2021年のZOZOチャンピオンシップ 写真/姉崎正)

圧巻だったのはティーショットを林まで曲げてしまった後半の8番ホール。7番アイアンで枝の下を低く通し、花道を使ったショットでピンそば2メートルくらいに寄せ、ピンチから一転チャンスにつけます。惜しくもバーディはなりませんでしたが、今日パットが入っていれば二桁アンダーまで伸ばせた内容でした。

画像: 惜しいパットもあったものの難コンディションの中2つスコアを伸ばしたことは明日につながると話す(写真は2021年のZOZOチャンピオンシップ 写真/姉崎正)

惜しいパットもあったものの難コンディションの中2つスコアを伸ばしたことは明日につながると話す(写真は2021年のZOZOチャンピオンシップ 写真/姉崎正)

今大会で久常涼選手のキャディを務める高橋淳也プロキャディに2日目の難しさを聞くと「距離も昨日と比べてアイアンで2番手くらい飛ばない状況でしたし、ピン位置は高いところが多く、雨の分傾斜がきつく難しくなっていました」と話します。

難しいコンディションの中、天候やライなどの状況判断から今できるベストを引き出す力が非常に高く、本調子でないながらも首位に立つという松山選手の総合力の高さを改めて印象付けられました。終了後の会見ではギャラリーへの感謝を語りました。

「寒くて雨も降っている中、これだけの方が来てくれて嬉しいですし、もう少しスコアを伸ばしたいなとは思っていましたけど、いい位置で終われているので明日も頑張りたいなと思います」(松山英樹)

1打差の2位以下はPGAツアーの選手がこぞって松山選手を追いかける展開となっています。明日は天候も回復する予報ですのでスコアを伸ばすことが要求されそうです。しっかりと見届けたいと思います。

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