ユージ:ゴルフ大好きタレントのユージです。今回は、安定してボギーペース(スコア90)で回るためのコースマネジメントを教わりたいと思います。教えてくれるのは宮田志乃プロです。よろしくお願いします!
宮田:はい。このレッスンのために京都から来ましたから! よろしくお願いします。
ユージ:わかりました。絶対に成果を出します!
――レッスンをしたのは千葉バーディクラブの1番ホール、レギュラーティーから338ヤードのパー4だ。ティーイングエリアからグリーンが見えるストレートなレイアウトのホールだが、フェアウェイの中央やや右、250ヤード地点に大きな木があり、右サイドにはクロスバンカーなどのハザードも目に入る。
宮田:一見真っすぐで簡単そうだけど、ティーショットの落とし所にハザードがあるので要注意です。こういうホールでは自分のティーショットの飛距離を把握して落とし所を考えて打っていかないと、1打目からトラブルになりがちです。ユージさんはこのホールのティーショットで使おうと思っているクラブの飛距離ってどう把握されていますか?
ユージ:普通に打つならドライバーで飛距離は280~310ヤード、刻むならUTで飛距離は250ヤードですね。
宮田:なるほど。大きな木までが250ヤードということを考えると、ドライバーとUTのどちらを使いますか?
ユージ:守りにいくならUTで軽めに打つんですが、でもUTだともし右にスライスするとちょうど右のバンカーに入る飛距離なんですよ。
宮田:となると安全にUTを選択した場合、右のバンカーの横の狭いスペースに刻むことになりますよね。安全策を取ったのにフェアウェイの狭いスペースに打っていかなくてはならないって、わざわざ難しくしているようで、おかしくないですか。
ユージ:なるほど。
宮田:ところが木や右のバンカーの先は、よく見るとフェアウェイの幅は広くなっているんですよ。
ユージ:あ、本当だ。
宮田:ユージさんのドライバーの飛距離なら、あの木もバンカーも越えるじゃないですか。だったら、思い切ってドライバーで行きましょうということなんです。飛距離の出る人は越えられるものは越えてしまったほうがフェアウェイを広く使えるんですよ。
ユージ:おぉ~、格言が出ましたね。「越えられるものは越えてしまえ!」。なるほど!
宮田:ハザードや木があると安全に手前に刻むことが多いんですけれど、そうすると落とし所が狭くなるケースがけっこう多くて逆に難しくなる、そして2打目の距離も長くなるというもったいない選択をしているわけです。
ユージ:刻まないほうが良い場合もあるんですね。勉強になります。
宮田:番手を落としたのにOBを打つケースってあると思うんですけれど、ユージさんのケースで言えば、250ヤードの木を避けるために飛距離250ヤードのUTを軽めに打ち、狭くなったフェアウェイを狙った結果OBなんていうことが起こるわけです。
ユージ:確かに刻んでOBってよくあるけど、わざわざコースを狭くしてそこに打っているんだもんね。そういうことかぁ。
宮田:ドライバーで振り切ってOBなら諦めもつくし、次の打ち直しの3打目が上手くいけば4打目でグリーンにオンしてボギーで上がれる可能性も出てくるわけじゃないですか。
ユージ:なるほど。
宮田:80台で回るためは、やってはいけないのはダブルボギーを打つことです。そのためにはティーショットは常に広いエリアを探して、そこにドライバーで打っていくことを考えたほうが良いですよね。
―宮田プロのアドバイスでドライバーを選択したユージのティーショットは、スライスして右方向へ。しかし宮田プロが言う通り木とバンカーの先のスペースは広く、ティーショットは右のラフに。右のラフからの2打目は残り75ヤード。58度で打った球はナイスショットでパーオンした。
ユージ:ピンの左サイドから、距離は約10メートル。打ち出しは上りで、真ん中過ぎてから下り、最後はスライスのラインですかね。
宮田:読めていますね、当たってます。ここで考えたいのが、パーオンできたという現状ですね。先ほど「80台を出すにはダボは打ってはいけない」と言いましたけど、このホールはせっかく2オンしたんだから「パーオンしたらボギーはダメ」という狙いにしたいんですよ。
ユージ:なるほど。ついついバーディをねらいたくなるけど、狙いはそこじゃないと。2パットで上がることを目指すわけですね。
宮田:ということはセカンドパットは絶対に入れたいわけです。なら、上りのラインが残るように寄せていきたいですね。
ユージ:なるほど。戦略って大事だなぁ。
――宮田の教え通り、セカンドパットで打ちやすいラインを残す意識で3打目を打ったユージ。残ったのは50センチの上りのパーパットだ。
宮田:上から切れていったので、次は真っすぐのラインというのがわかっていますから楽ですよね。
ユージ:重力で落ちてきたので次は真っすぐなんだ。なるほど! じゃあ打っちゃいますね。
――ポンと“お先に”パットを打ち、ナイスパー! だが、宮田プロから「ちょっと待った!」が入った。
宮田:ナイスパー! なんですが……。今、ユージさん、何気なく「お先に」でポンと入れましたよね。
ユージ:だって、上りのラインで楽に打てるからって……。
宮田:アマチュアの方って競技以外のプライベートのラウンドのときは、プレーファーストもあって1グリップくらいを「OK」でスキップしたりしますよね。
ユージ:はい。たまにサンキューと言って適当に打ったやつが、外れたりするんですよね。
宮田:そういうときって、適当に打つから球がフラフラとねじれて外すことが多いんですよ。
ユージ:あります。でも「アレ、今OK出てたよね」って。ちょっと恥ずかしいけど(笑)。
宮田:それって、恥ずかしいだけじゃなく80台を出すためにも重要な要素をポイントが含まれているんです。
ユージ:どういうことですか?
宮田:しっかりヒットせずにポンと適当に打つと、その感覚が脳とか筋肉にインプットされてしまうんです。そして、そのイメージが次のホールのティーショットまで残ってしまい、合わせたようなスウィングになってスライスしてOB、ってことになりがちなんですよ。
ユージ:じゃあOKが出たら、どうするんですか?
宮田:「ありがとう」って言ってボールをピックアップするか、短くてもしっかりアドレスをしてパチンと芯でヒットして入れるようにしてください。
ユージ:なるほど! 僕は拾うことにします(笑)
撮影協力/千葉バーディクラブ
写真撮影/野村知也