「NOBUTA GROUP マスターズGCレディース」の最終日、3日目を終え、2位の勝みなみと菊池絵里香に1打差の単独首位でスタートした古江彩佳は、安定感抜群のプレーで2週連続優勝でプロ通算5勝目を飾った。混戦になった最終日の模様をプロゴルファー・中村修がレポート。

強い古江選手が戻ってきました。今大会のスタッツを見るとFWキープ率89.2%、パーオン率83.3%、飛距離222.75ヤードと安定感抜群のショット、そして平均パット1位(パーオンホール)の実力を見せつけた2週連続優勝でした。菊池絵里香、西郷真央選手が迫ってくる中で自分のプレースタイルを崩さず、21歳とは思えないくらい落ち着いたプレーを印象づけました。特に優勝を決めた最終ホールの2メートルのパーパットは、いつも通りのテンポでサラッと入れるあたりは先週の優勝が大きな自信になっていたことでしょう。

画像: 「NOBUTA GROUP マスターズGCレディース」で2週連続優勝でプロ通算5勝目を挙げた古江彩佳(写真は2021年のNOBUTA GROUP マスターズGCレディース 撮影/岡沢裕行)

「NOBUTA GROUP マスターズGCレディース」で2週連続優勝でプロ通算5勝目を挙げた古江彩佳(写真は2021年のNOBUTA GROUP マスターズGCレディース 撮影/岡沢裕行)

2週連続優勝と地元兵庫県の開催とプレッシャーがかかる中で、声援を力に換え集中したプレーで優勝を手繰り寄せました。ショット力、パット力の高さは目を見張るものがありますが、それ以外にも古江選手の強さの裏には3つのポイントがあると考えています。そのひとつは「2位では意味がない」という根底にある強い気持ちです。終了後の会見ではそのことをこう述べました。

「やっぱり優勝することで覚えてもらえるというか、2位では記憶にも記録にも残らないというのは思っているので、それは思い続けています」

先週の「富士通レディース」の勝みなみ選手との3ホールのプレーオフでは、雨と寒さの中、難易度の高い17番のパー3で5Wを持ちピンを果敢に攻めバーディを奪った強い気持ち、今大会の最終日のプレーでも前の組の西郷真央選手が後半に3つのバーディを重ね迫る中でピンを攻める強い気持ち、コースにもライバルにも左右されない強い気持ちを持ち続け優勝しました。

画像: 平均パット(パーオンホール)1位の安定したパットで最終18番ホールの2メートルのパーパットを決め優勝を手にした(写真は2021年のNOBUTA GROUP マスターズGCレディース 撮影/岡沢裕行)

平均パット(パーオンホール)1位の安定したパットで最終18番ホールの2メートルのパーパットを決め優勝を手にした(写真は2021年のNOBUTA GROUP マスターズGCレディース 撮影/岡沢裕行)

ふたつ目は、自分のプレースタイルを崩さない強さです。ドライビングディスタンスは222.75ヤードと決して飛距離の出る方ではありませんが、確実にフェアフェイをキープすることで距離の残るセカンドショットでもスピンをかけてボールを止めています。

「ドライバーのフェアウェイキープが最近できてきてるかなと思います。距離が出るほうではなく、平均だと思うけど、ビッグドライブがでないぶんフェアウェイキープで、 次のショットでスピンがかけやすいところに置いておかないと 試合をやるには難しくなるので、私の第一のそのホールに 対しての目標です」

3日目を終えての会見では、自分のプレースタイルの要になっているのはフェアフェイからスピンをかけたボールを打つことと話しています。ウッド3本にUTを2本入れアイアンは6番からというセッティングに、ボールはブリヂストのスピン系ボール「ツアーB XS」を使用しています。ピンの根元を狙ってスピンで止めるショットが打てるのも、自分のプレースタイルの合わせたクラブセッティングをしているからです。

画像: 高いショット力に、パット、マネジメント力で21歳にしてプロ通算5勝目を挙げる(写真は2021年のNOBUTA GROUP マスターズGCレディース 撮影/岡沢裕行)

高いショット力に、パット、マネジメント力で21歳にしてプロ通算5勝目を挙げる(写真は2021年のNOBUTA GROUP マスターズGCレディース 撮影/岡沢裕行)

最後はゴルフをする上での頭の良さです。今大会でキャディを務めたノリさんこと清水重憲キャディに頭の良さをを聞きました。

「必ずメモを取っていますね。練習ラウンドと試合ではプロは飛距離が出てしまうことが多いので、試合が始まってからも狙い場所を修正したり、絶対に行ってはいけない場所の危険察知能力とか含めたマネジメント力がすごく高いです」

20-21年のシーズンが統合されたことを考えると古江選手にとってはルーキーイヤーともいえますが、その中でこれまで5勝を挙げことは彼女の持つ非凡さを改めて感じます。正確なショットとパットを生かしたプレースタイル、ピンを攻める強い気持ち、マネジメント力を含めた頭の良さ、それらを兼ね備えた古江選手の活躍はまだまだ続きそうです。年末には米女子ツアーのQT(予選会)を受けるということなので来年は米女子ツアーでの姿も見られるのではないでしょうか。

一部誤字を修正しました(2021年10月26日9時36分)

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