最新のゴルフクラブは製造技術の進歩のおかげで性能が良くなったぶん、高額化も進んでいる。なかでもここ数年で定価の値上がりが顕著なパターの今後について、トレンドウォッチャー・コヤマカズヒロが考えた。

トレンド、といってもここ数年くらいのことなのだが、パターの価格がずいぶん高額になってきている。ピンを例にあげると、2013年に発売されたパターシリーズ、「スコッツデール TR アンサー2」は、定価が1万9,000円税別だったが、現行モデルの「2021 アンサー1」は、3万4,000円税別になっている。

高級パターの代名詞的な存在であるタイトリストの「スコッティキャメロン」は、だいたい5万円台で購入可能だ(※プロパー品の場合)。そこは以前と変わっていないのだが、これまで1万円台で購入できることも多かった、「ピン」や「オデッセイ」、「テーラーメイド」がじわじわと高額になってきている。オデッセイの現行モデル、「ホワイトホットOG #5」の定価は、3万4,000円税別。

画像: 初代ホワイトホットは1万円代だったのに、その後だんだんと高くなってきた

初代ホワイトホットは1万円代だったのに、その後だんだんと高くなってきた

同じく、テーラーメイドの「スパイダーEX」は、4万円税別だ。比べるのもどうかと思うが、2000年に発売された初代「ホワイトホット」は、1万円台前半で買えることも多かったことを思えば、やはり現代のパターは高額になったと言わざるを得ない。

高額になった理由は様々あるが、やはり機能向上のために構造が複雑になったことが第一にあげられるだろう。異素材を組み合わせたインサートや、いくつものパーツを組み合わせたヘッドのみならず、最近はオデッセイの「ストロークラボ」に代表されるように、シャフトにもこだわったモデルが登場している。より手間暇をかけ、新しい素材や製造方法を採用するものも増えてきた。

そして、それを支えているのが、ゴルファーの購買行動だ。ドライバーにはお金をかけても、パターは高額なモデルを購入したとしても入るわけではないなどと言う人も少なくなかったが、最近は、パターにも、よりこだわって良いものが持ちたいという人が増えてきている。高額になっても、より魅力的で高機能なパターに惹かれるゴルファーが多いのだ。

そんな傾向もあってか、「スコッティキャメロン」以外の高級パターも増えてきている。代表的なのは「ピレッティ」だ。最初に日本に入ってきたのは10年以上前だが、削り出しパターとしてじわじわと認知が高まり、今年は笹生優花が愛用して、全米女子オープンに勝利するという大金星をあげた。

画像: リッチなパターの選択肢として、笹生優花も使用する「ピレッティ」の削り出しパターも人気

リッチなパターの選択肢として、笹生優花も使用する「ピレッティ」の削り出しパターも人気

プロパー品でも6万円台と高額だが、笹生優花モデルのレプリカとなる「ポテンザ エリート」は10万円税抜。笹生優花使用パターと素材、形状、ミーリングすべて同じモデルである「Y.S.リミテッド」は、なんと45万円税抜だ。しかし、これだけの値段であっても、購入している人は多いというから恐れ入る。それだけ、お金はかかってもいいから良いものがほしいと考えるひとが多いのだ。

「オデッセイ」が、より高級なラインナップ「トゥーロン」を展開しているのも、そうしたニーズに対応するものだろう。それまでのオデッセイパターとは一線を画した、ノンインサートの削り出しパターのブランドだ。さらに、グローバルですでに展開しており、世界でも小ロット生産で希少性の高い「SMALL BATCH」というシリーズも日本での展開が始まったが、10万円を超えるというのに1週間で完売してしまった。かなり高額というのに、反応は上々のようだ。

画像: 日本でも展開が始まった「トゥーロン」の「SMALL BATCH」シリーズ。高額なのに1週間で完売してしまった

日本でも展開が始まった「トゥーロン」の「SMALL BATCH」シリーズ。高額なのに1週間で完売してしまった

超高額なパターでも数千円で買ったパターでも、カップインするかどうかは、あまり変わらないかもしれないが、使っているときの気持ちの高揚感には小さくない差がありそうだ。パターの高額化はまだまだ続きそうで、こうした高級パターに新たに参戦してくるメーカーも出てくるだろう。

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