24歳にして海外メジャー2勝を成し遂げたショットメーカー、コリン・モリカワ。そのスウィングを、プロコーチ・内藤雄士が解説!

フェードボールというと、カット軌道でスウィングし、体のラインよりも左へ打ち出された球が、右に曲がって戻ってくるものだと思っている人が多いようです。しかし、そのようなフェードは、曲がり幅が大きくなりますし、スピン量が増えるので風に弱くなりがちです。

そのため、現在のPGAツアーでは、インサイドからハンドファーストに球をつかまえつつ、腰の回転量を増やし、フェースローテーションを抑えることでフェードを打つ方法が主流となっています。

たとえば、ツアー屈指のショットメーカーで、2020年の全米オープンチャンピオンでもあるコリン・モリカワ選手は、そんなフェードヒッターの代表です。その球は、体のラインに沿って打ち出され、ほぼストレートに飛びながら、わずかに右へ切れていく、最高級のフェードと言えるでしょう。

画像: 「ダスティン・ジョンソンのような掌屈(左手首を手のひら側に折る動き)に目が行きますが、これは個人のクセなので、マネすることはおすすめできません」(内藤)

「ダスティン・ジョンソンのような掌屈(左手首を手のひら側に折る動き)に目が行きますが、これは個人のクセなので、マネすることはおすすめできません」(内藤)

まず、ダウンスウィングに注目してください。腰の高さに降りてきたクラブヘッドがグリップと重なり、フェースがやや地面に向いていることがわかります。これは、オンプレーンの軌道で、フェースを少しシャットに(閉じて)使っている証拠です。

画像: この時点で手とヘッドが重なるのはオンプレーンの証拠。カット軌道の場合は、ヘッドが手よりも上を通る

この時点で手とヘッドが重なるのはオンプレーンの証拠。カット軌道の場合は、ヘッドが手よりも上を通る

これは、インサイドからボールをとらえ、球をつかまえる形なので、一見するとドローが出そうな気がするかもしれません。しかし、コリン選手は、ここから強烈に腰を回転させ、フェースローテーションを抑えることで、曲がらないフェードを打っています。

ダウンの時点で、飛球線後方から左右のお尻が見え、インパクトでお腹が完全に目標方向に向いているのは、腰の回転量が多い証拠。フォローで後方からフェース面が見えるのは、フェースローテーションを抑えている証拠です。この動きによって、球は体のラインに打ち出され、非常に曲がり幅の小さいフェードボールになります。

画像: ダウンでここまでお尻が見えるのは、腰の回転量が多いから

ダウンでここまでお尻が見えるのは、腰の回転量が多いから

このように、フェードであっても、カットには打たない。インサイドからハンドファーストにとらえつつも、腰の回転でフェードを打つ。それが現代的な技術だということを覚えておくとよいでしょう。

写真/2021年の全米プロゴルフ選手権 撮影/Blue Sky Photos

This article is a sponsored article by
''.